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おじさんとBUMPのニューアルバムについて、振り返って考えてみよう

natalie.mu

 

 

■タイトルと上のリンク先の情報通りでございます。

 

もう、いつ出るんだ!と、ストック溜め過ぎじゃないか!と、アルバムが既出曲ばっかりになるじゃないか!と、待ちに待ちに待っていたBUMP OF CHICKENの新しいアルバムが、2019年7月10日に発売されることが発表されました。タイトルや収録内容は、まだ未定ではあります。

 

前アルバム『Butterflies』が、2016年2月10日に発売されたので、そこから3年5ヶ月という長い時が経ったことになります。

 

ということで、アルバムに入るであろう曲がたくさん出そろっていますので、ここら辺でちょっとまとめてみようじゃないか(主に、僕自身の頭の中が散らかっていたので)というのが、この記事でございます。取り急ぎ、軽くさらっと(にはなりませんでしたかね苦笑)紹介しておきます。

 

合わせて、現時点での「個人的お気に入り度」を、10点満点で評価しておきます。(皆さんはどうですか?)

 

では、早速いきます。

 

 

 

アリア(5点)

デジタルシングルとして、2016年8月17日にリリースされた新曲です。テレビドラマ『仰げば尊し』の主題歌に起用されました。

 

一応、アルバムに入るであろう曲としては、リリース時期で考えると、一番古い曲になるんですかね。この辺りから、怒涛のBUMP新曲発表ラッシュが始まったっていう感じがしています。

 

この曲に関しては、記事を書いておりますので、詳しくはそこにお任せします。良かったら読んでみてください。

 

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youtu.be

 

 

アンサー(7点)

デジタルシングルとして、2016年12月21日にリリースされた新曲です。テレビアニメ『3月のライオン』のオープニングテーマに起用されました。

 

ちなみに、同時期の同アニメのエンディングテーマには【ファイター】(7点)が起用されましたが、こちらは新曲というわけではなく、元々は漫画と音楽のコラボレーションとして、『3月のライオン』とコラボリリースされた曲です(2014年11月28日)

 

にしても、作者の羽海野チカさんは、BUMP OF CHICKENスピッツがどっちも好きでいらっしゃるなんて…親友になれそうです笑。ちなみに、『3月のライオン』も大好きです、全巻持ってます。

 

【ファイター】が、何ていうか”戦うこと”に対する苦悩だったり、それに賭けている想いの強さだったりっていうものを歌っている感じであるのに対して、【アンサー】は、文字通り、それに対する”答え”のような感じに思えます。どうして自分が戦っているのかとか、それによってどんな大切なものを得ることができるのかとか、そういう側面を歌っているのだと思っています。

 

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リボン(9点)

デジタルシングルとして、2017年5月1日にリリースされた新曲です。

 

この曲が発売になるまで、BUMP OF CHICKENは結成20周年のアニバーサリーイヤーの真っただ中にいました。そして、そのアニバーサリーイヤーが終わる、まさにその日…2017年2月10日にスタジオライヴの生中継を行い、この【リボン】を発表しました。

 

僕個人は、シングル『ロストマン/Sailing day』(10点 / 8点)でハマったBUMPファンで、そこからおよそ15年経ったことになるんです。だから、その長い期間を振り返るという意味でも、この新曲のリリースはとても感慨深かったし、大きな意味があったと思う。

 

この曲に関しては、記事を書いておりますので、詳しくはそこにお任せします。良かったら読んでみてください。

 

itukamitaniji.hatenablog.jp

 

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記念撮影(8点)

デジタルシングルとして、2017年7月5日にリリースされた新曲です。”日清カップヌードル”のテレビCMソングとして起用されました。

 

テレビCMに関しては、『魔女の宅急便』『アルプスの少女ハイジ』『サザエさん』がありましたが、どれも「変なCMだな!」というのが率直な意見です…まぁ、"気になった"という点では、成功したCMだったんでしょうね。

 

すごい好きな曲です。この曲に関しては、記事を書いておりますので、詳しくはそこにお任せします。良かったら読んでみてください。

 

itukamitaniji.hatenablog.jp

 

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望遠のマーチ(5点)

デジタルシングルとして、2018年7月23日にリリースされた新曲です。スマートフォン向けゲーム『妖怪ウォッチ ワールド』のテレビCMソングとして、起用されました。

 

妖怪ウォッチ』が、主に子ども向けのアニメ・ゲームなだけに、みんなの歌にそのまま起用されても良いくらい、さわやかで馴染みやすい曲になっているんですけど、ちゃんとBUMPらしい感じも失われていないっていうのが、本当にすごいと思いました。

 

今回、改めてMVで聴いてみたけど、最初聴いた時は少し苦手な感じだったけど、時間を置いたせいなのか、ちょっとは気にならなくなっていました。まぁ、確かに昔のBUMPからは、絶対に想像できない曲だということは否めないですが…。

 

youtu.be

 

 

シリウス / Spica / 話がしたいよ(6点 / 4点 / 9点)

まず、テレビアニメ『重神機パンドーラ』において、オープニング主題歌として【シリウス】が、エンディング主題歌として【Spica】が、それぞれ起用されました。

 

シリウス】は、2018年9月24日にデジタルシングルとしてリリースされました。

 

そして、2018年11月14日に、トリプルA面シングル『話がしたいよ/シリウス/Spica』が発売されました。パッケージシングルは、シングル『Hello,world!/コロニー』以来、実におよそ3年半ぶりのことでした。

 

【話がしたいよ】については、映画『億男』の主題歌に起用されました。

 

正直、しばらくの間、BUMPの作る楽曲が、自分にあんまり馴染まなくなったなぁって思っていたんですけど(潮時かな…とさえ)、そこへ来てこの【話がしたいよ】は感動しました!多分、同じ風に思ったBUMPファンは多いと思いますが、どうですか?

 

この曲に関しては、僕にとっては久々の大ヒット作ですね。こういう名曲が生まれるから、やっぱりBUMPファンは辞められないですし、改めて僕はBUMPが好きなんだなっていうことを再確認しました。

 

何ていうか、それでいいじゃん?って。自分の年齢も、BUMPのメンバーの年齢も状況も、色々変わっていって、それで昔とおんなじ気持ちで、BUMPの新曲を聴いているか、とか、変わってるのは当たり前ですよね、こちとら15年くらいの付き合いなんですからね。

 

【話がしたいよ】に関しては、記事を書いておりますので、詳しくはそこにお任せします。良かったら読んでみてください。

 

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youtu.be

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月虹(6点)

デジタルシングルなども含めて、まだリリースされていない新曲。2018年10月から放送されているテレビアニメ『からくりサーカス』のオープニング主題歌に起用されました。

 

あんまりまだ聴けないですが、何となく、【カルマ】(9点)とか【Hello,world!】(6点)みたいな感じの曲かな?これからに期待します。

 

ここでちょっと聴けるみたいです↓

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新世界(4点)

デジタルシングルなども含めて、まだリリースされていない新曲。2018年12月12日より、ロッテ創業70周年記念スペシャルアニメーションのテーマソングに起用されました。

 

未だ、馴染んでいない曲です。何ていうか、隠しみたいな曲だなって思っています。

 

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Aurora(7点)

デジタルシングルなども含めて、まだリリースされていない新曲。2019年1月より放送されているテレビドラマ『グッドワイフ』の主題歌に起用されました。

 

現時点では、一番新しい曲になるんですかね。アルバムの情報と、この曲のMVの解禁があって、この記事を書きはじめました。

 

【Aurora】ぶちいい曲ですね。またリリースなどされた時にでも、この曲も記事を書きたいと思っています。


※3月15日に配信リリースになったようですね。次は、この曲単体の記事を書きます。

 

youtu.be

 

 

(その他)

 

流れ星の正体
…2017年1月頃に、オフィシャルサイトにて、ごく短い期間限定で、藤原さんの弾き語りという形で公開された楽曲。どういう形でか、この曲もリリースされるんだろうか?

 

pathfinder
…正確な曲名は、これでいいんですよね、一応映像作品にも入っていますし。2017年~2018年に渡って行われた、全国ツアー『PATHFINDER』のオープニングテーマのようなインスト曲です。

 

過去に、全国ツアー『WILLPOLIS』のオープニングテーマとして演奏されていたインストの曲が、アルバム『RAY』の1曲目に【WILL】として収録された前例があるので、【pathfinder】もアルバムの1曲目に入る可能性があります。さすがに、アルバムタイトルになることは、考えられないですかね…。それか、映像作品に入ったので、今回は収録自体が見送りになるかもしれません。

 

youtu.be

 

 

■はい、ということでございます。

 

【流れ星の正体】と【pathfinder】は置いといて、他11曲は収録されると思われますが、どうでしょうか。

 

純粋なアルバム初出の新曲は、2, 3曲というところでしょうか…うーん、やっぱり既出曲が多過ぎでしょうね。

 

しかし、やっぱりアルバムは楽しみですね!なんだかんだ言って、楽しみですよ、待ちましょう。

おじさんの音楽レビュー#36 『TERMINAL / Salyu』

TERMINAL

【TERMINAL / Salyu


01.トビラ
02.風に乗る船
03.鏡
04.プラットホーム ~Merry Go Round~
05.故に
06.Tower
07.Apple Pie
08.I BELIEVE
09.夜の海 遠い出会いに
10.name
11.be there
12.heartquake
13.to U (Salyu ver.)

 


■最近(2019年2月)、ツイッターでこんなツイートが話題になりました。あの有名な女性アーティストの宇多田ヒカルのツイートでした。

 

 

やたらと女性アーティストを"歌姫"と形容することへの違和感か、自分自身が歌姫と呼ばれることへの何かしらの考えの吐露か、はたまた単純に歌姫ってどういう人を指すつもりで使われているの?という疑問の投げかけか…どういう意図で、宇多田さんがこの発言をされたのか、ということについては、とりあえずここでは置いておきます。

 

”歌姫”…まぁ普通に考えると、パフォーマンスも含めて、歌声や歌っている歌が素晴らしい女性アーティストを指してそう呼ぶのだと、解釈しています。

 

例えば、宇多田ヒカル。今のところ、日本で一番売れたアルバムが、『First Love』で、売上枚数はおよそ760万枚であり、きっともうこの記録は塗り替えられることはないのでしょう。それでも、本人は全然過去の人になっていなくて、今でも第一線で活躍をされています。そういう意味で、名実ともに宇多田さんは、歌姫と呼ばれるにふさわしい方だと思います。

 

実際に、宇多田さんのツイートに対して、「それはあなたのことです」のような返信が、多数寄せられていました。

 

その他、2018年の紅白歌合戦に出場して、とんでもないパフォーマンスを見せたMISIAや、あとは、2018年に引退した安室奈美恵とか、ドリカムの吉田美和や、Superflyなど、本当に素晴らしい女性アーティストがたくさんいて、”歌姫”と呼ばれても差し支えのない人たちは大勢いると思います。

 


■「歌姫ってなんなん?」

 

ツイートの真意は置いといて、自分なりに「歌姫って誰を指すのだろう」と考えたときに、僕は真っ先に、Salyuという人を思い浮かべました。

 

後にも先にも、女性ボーカルでこんなに衝撃を受けることはないと断言してきます。何と言っても、圧倒的なボーカルです。もちろん、先に上げた女性シンガーたちも上手ではあるんですけど、Salyuの声は本当に圧倒的なんです。当然、僕の好きな声の好みも関係していると思いますが。

 

小林武史さんは、Salyuの声を、「天に向かい地に響く声」と評しているんですが、まさに言い得て妙だなって思うんです。「深みがあってドシっと地を固めていて、それでいて、空高くどこまでも届いていきそうな浮力を持つ声」と、個人的に感じました。一回聴くと、忘れられない唯一無二感もあるのです。

 


■個人的にですが、Salyuが特に表立って現れた時が、これまで2回あったと思っています。

 

まずは、これはまだSalyu名義ではないのですが、2001年に公開された映画『リリイ・シュシュのすべて』において、映画内に出てくる架空のアーティストのリリイ・シュシュ / Lily Chou-Chouを演じたのが、Salyuでした。

 

映画や楽曲の様子と相まってか、このときのリリイからは、暗く退廃的な雰囲気を受けましたが、もうすでに圧倒的なボーカルを聴くことができました。確か、この映画のあと、Salyuへと名を変え、小林武史プロデュースで、活動を本格化させていったのだと記憶しています。

 


そしてもう1回は、2006年に"Bank Band with Salyu"名義で、【to U】という楽曲を発表した時です。

 

Bank Bandとは、Mr.Children桜井和寿と、音楽プロデューサーの小林武史を中心として結成されたバンド(というよりプロジェクト?)で、メンバーは固定されておらず、その都度、そうそうたるメンツが名を連ねます。

 

Bank Band with Salyuは、その名前通り、Bank Bandに、Salyuが参加するという形で、楽曲を発表しています。ちなみに、Bank Band名義で発表したオリジナル楽曲としては、この【to U】が初めてだったそうです。

 

僕がSalyuを知ったのが、この【to U】を聴いたことがきっかけでした。ああ、すごいきれいな歌声の女性が歌っているなぁって、調べてみるとSalyuという人だということを知って、興味を持ったのです。

 

ちなみに、先述の映画『リリイ・シュシュのすべて』は、その後さかのぼって見ました。

 


■根本的に、僕が聴きたいと思えるアーティストの境界線は、「ソングライティングをしているかどうか」なんです。

 

要するに、自分が歌う歌くらいは、自分で作ってなんぼでしょ!という想いがあります。バンドだったら、例えばボーカルが作詞作曲をするとか、ソロで活動をしているミュージシャンも、自分でソングライティングしているかどうか、というところが、個人的に、何より一番最初に気になるところなんです。

 

特に、せめて歌の魂というべき”歌詞”ですよね、ここの部分は、他者に頼るのではなく、自分(たち)で想いを込めて書いて欲しい、というのが僕の想いです。メロディーや楽器の演奏を他者に任せるのはしょうがないとしても、”歌詞”を他者に頼るということは、そこにはあなたの想いがこもっているの?って思ってしまうのです。

 


ただし、何事にも例外はあります。そういう意味では、僕がSalyuを好きになったのは、その例外に当てはまると思います。というのが、Salyuは、小林武史を初め、プロデューサーの影響がとても強く、言い方が悪いですけど、”作ってもらった歌”を歌っていたからです(最近は、Salyu自身が作詞を多く手がけていますけどね)。

 

しかし、この人に関しては、自分の常識が通用しなかったですね笑 もう、歌声が圧倒的過ぎて、色々ぶち抜いて好きになっていました。

 


Salyuの作品は、たくさん聴いてきましたが、その中でもダントツで好きなのが、一番最初に聴いたアルバム『TERMINAL』です。色々と思い入れがある作品です。

 

この作品を聴いた時期が、確か大学生の終期だったのですが、珍しく恋人が居た時期でもあったり、大学生の分際で一緒に暮らしたりしていて、とても楽しかったんですが、何か何とも言えない時期ですよね。そういう時期に、このアルバムを聴いていたんです。

 

今でも、このアルバムを聴くと、何とも言えない気分になりますね。青春っていう感じとは少し違うんですけど、子どもと大人の境界にいる感じがして、不思議な気分になります。

 


ということで、少しずつですが、特にお気に入りの曲だけでも紹介していきます。全曲良いのは、間違いないですけどね。

 

 

 

01.トビラ

トビラ

トビラ

  • provided courtesy of iTunes

 

1曲目が、いきなり超名曲です。

 

アルバムの始まりとして、こんなに楽しみになる曲は嬉しいですよね。サビで炸裂している、Salyuの高音ボーカルで、一気に視界が光って開けていく感じがします。

 

MVにて、跳ねるように踊るように、歌っているSalyuの姿が印象的で、この人は本当に歌うことを愛していて、また、愛されているのだろうと思います。

 

ちなみに僕自身は、一度だけ生でSalyuが歌っているところを見たことがあるのですが(夏フェスにて)、その時も同じ印象を受けました。

 

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02.風に乗る船

風に乗る船

風に乗る船

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このアルバムの中だったら、一番好きな曲です。MVの雰囲気とも相まって、とても壮大な雰囲気を纏っている曲です。

 

このアルバムに思い入れが強い理由の一つが、当時(珍しく)自分に恋人が居て、その人と聴いていたという思い出があるということもあるかもしれません。僕が、この曲を特に気に入っていたので、カラオケに行くとよく歌ってくれていました。

 

この歌も、言わずもがな、Salyuのボーカルが炸裂しています。特に、最後の方の、転調したあとのボーカルは神がかっているので必聴です。

 

あとは、歌詞も好きなんですよね。先述の通り…なので、歌詞を気にして聴くということは、Salyuに関してはそんなにしないんですけど、この歌詞は好きです。

 


涙の後には虹が出る
眼を閉じていたら 頬を伝った
体が少し縮むような
寂しさの井戸に涙が落ちた

 


あたしがここで生きてた事も
長い時に 消えてゆくけど
だけど空には 洗いたてみたいな
雨上がりに 色の橋が見えたら

 

こういうところを聴くと(読むと)、救われた気持ちになりますよね。

 

youtu.be

 

 

 

06.Tower

Tower

Tower

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このアルバムの楽曲の作詞者としては、小林武史(5曲)、一青窈(6曲)、Salyu(1曲)、ミスチル櫻井和寿(1曲)が参加しています。作詞に限ると、小林武史さんより、一青窈さんの方が、単純な曲の割合としては多いんですね。

 

そう言われると、小林さんの歌詞と、一青さんの歌詞で、Salyuの曲の雰囲気がガラッとかわります。小林さんの歌詞は、世界観が広がる感じで、一青さんの歌詞は、ちょっとかわいらしい感じ、という風に。

 

この【Tower】は、一青窈さんが歌詞を書いているのですが、まさに一青さんって感じですね。本当に独特なんですよ、歌だけ聴いているとそんなに感じないんですけどね、歌詞を実際に読んでみると、表記の仕方っていうんですかね、そのクセがすごいんです。

 


東京タワーが見下ろすのは
どおしようもない
ふたりは常にfallin'love
うー どうしようもない

 

 ふたりは今も fallin'love

 

こんな感じです。”どうしようもない”を”どおしようもない”にしてたり、最後の歌詞を1マス空けて書いていたり、クセがすごいですよね、どうせ歌ったら分からないでしょ!って思うんですけどね。他の歌では、歌詞の中に(笑)という表記もあったりして、こういうのは、歌詞を読んでいて、読み物としても面白いと思います。

 

もちろん、この歌でもSalyuの超ボーカルが炸裂しています。こういう、楽しくて明るい歌も、Salyuの魅力だと思います。

 

youtu.be

 

 

 

08.I BELIEVE

I BELIEVE

I BELIEVE

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アルバムの中で唯一、Salyuが作詞をしている曲です。Salyuが書く詞も、素晴らしいと思うんですけどね。

 

先述したとおり、やっぱり本人が作詞を行うべきと思っていますので、本人が作詞しているというだけで、個人的に曲に向き合う気持ちが、全然変わってきます。ああ、この歌で歌われていることが、Salyuの本当の気持ちなんだって、そう思うだけで、歌の聴き方が違ってくるのです。

 

youtu.be

 

 

 

10.name

name

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大学生の時に、僕は下手くそながら、音楽系のサークルに入っていました。軽音とは少し違って、バンドを組んだりする活動ではなく、アコギの弾き語りなどの、アンプラグドで歌唱と演奏を楽しむサークルでした。

 

歌がうまい人も、演奏がうまい人も、たくさん在籍していたんですけど、特に印象に残っているメンバーに、女性ボーカルのMさんが居ました。

 

控えめに言っても、Mさんのボーカルは衝撃的でした。彼女の歌声を聴くと、ああ、俺らって素人なんだなって思うほど、彼女の声は本物のボーカルだと思ったのです。

 

そんなMさんが好きだったアーティストの一人が、Salyuだったんです。サークルで定期的にやっていた定期ライヴでも、MさんはSalyuをカバーして歌っていました。【to U】と【name】は覚えています。

 

ただし、【name】に関しては、ライヴでカバーした時のパフォーマンスは聴くことが出来なかったんですが、後日サークルのメンバーでカラオケに行った際に、頼んで歌ってもらいました。やっぱり、素晴らしかったです。だから、この曲に関しては、Mさんのボーカルの印象の方が強いですね。


曲としても、【name】は良い曲ですよね、とても好きな曲です。これも、一青窈さんの作詞曲なのですが、これまで入っていた、アルバムの一青窈作詞曲とは、何か雰囲気が違う感じがします。

 


さざ波雲みて驚いた学者が
こんなに穏やかな日々は
もう続かないと言うけど
悲しいひとりきりなりたいよな
あたしの気持ちなぞってくれた
似た者同士あなたをそこから

 

出だしの歌詞なんですけど、素敵ですよね。

 

 

youtu.be

 

 

 

13.to U(Salyu ver.)

to U (Salyu ver.)

to U (Salyu ver.)

  • provided courtesy of iTunes

 

作詞はミスチルの桜井さん、作曲は小林武史という、黄金コンビが作った楽曲です。先程も紹介したように、最初は”Bank Band with Salyu”名義で発表された楽曲で、その時は、ボーカルを、Salyuと桜井さんの2人が務めていました。

 

ただ、このアルバムに収録の【to U】は、Salyuのみがボーカルを務めているSalyu ver.が収録されています。と言うより、この歌は元々、仮歌としてSalyuが単独で歌っていたものが始まりで、それに桜井さんが歌詞をつけた、という流れのようです。

 

桜井さんの歌詞は、やっぱり桜井さんって感じがしますよね。何ていうか、日常の何でもない風景から、スケールの大きな世界を見据えて書かれている歌詞は、時にリアリティを突き付けて、胸をグッと掴んできます。それと同時に、励ますような優しい言葉によって、救われる気持ちになります。

 


瓦礫の街のきれいな花 健気に咲くその一輪を
「枯らすことなく育てていける」と誰が言い切れる?

 


また争いが 自然の猛威が 安らげる場所を奪って
眠れずにいるあなたに 言葉などただ虚しく
沈んだ希望が 崩れた夢が いつの日か過去に変わったら
今を好きに もっと好きになれるから
あわてなくてもいいよ

 


■ということで、”歌姫”Salyuの、個人には最高傑作のアルバム『TERMINAL』の紹介でした。

 

ちなみに、この『TERMINAL』の時期のSalyuが、歌声もさることながら、容姿もふっくらしていて好きです。今は、そこから比べると、相当痩せてますよね。

おじさんの音楽レビュー#35 『HAUGA / ArtTheaterGuild』

HAUGA

【HAUGA / ArtTheaterGuild】

 

<収録曲>
01.Stamen
02.TOYRING
03.MADDERGOLD
04.蝶の舌
05.HOME ALONE

 


■アルバム自体は、2018年10月17日に発売されたものなので、作品の紹介という意味では時期遅れなんですけど、去年リアルタイムで購入してからずっと聴いている、とてもお気に入りの作品なので、今回紹介しておきます(現在は2019年2月)。

 

そもそも、このArtTheaterGuild(アートシアターギルド)というバンド…僕自身もこのアルバムが初めて聴いた作品なので、まだ当バンドを知って日が浅いですが、大好きな作品なので、作品と合わせてちょっと紹介してみます。

 


■まず、そもそも僕が、このArtTheaterGuildというバンドを知ったのは、the pillows山中さわおさんがプロデュースをする、ということを知ったことがきっかけでした。the pillows山中さわおさんが好きなので、どんなバンドなんだろうって、興味を持ったのが始まりでした。

 


ちょっと違うアーティストの話になるんですけど、カミナリグモというバンドがあって、このバンドもArtTheaterGuildと同じく、山中さわおさんのプロデュースを受けたことをきっかけとしてその名を馳せ、僕自身も知ったバンドでした。

 

カミナリグモは、個人的にすごい好きになったバンドで、今でもよく聴いています。カミナリグモは、2016年に一旦活動を休止してしまい、ボーカルの上野啓示さんがソロプロジェクトのかけらフィルム名義で活動をはじめたんですけど、そのかけらフィルムのライヴには、一度行くことができました。とても素晴らしかったのは、言うまでもありません。(ちなみに、これもまたソロで活動をしておられる、sleepy.abの成山剛さんとの合同ライヴでした)

 

ちなみに、カミナリグモは、2018年の終わり頃から活動を再開させたらしいので、また彼らの新曲が聴けるということを思うと、それもすごい楽しみに思っているところなんです。

 


…と、こういう風に、以前に山中さわおさんがプロデュースしたバンドにハマったことがあったので、ArtTheaterGuildも聴いてみたいと思ったんです。

 

それで、YouTubeで発表されている音源や、確か発売前にタワレコで少し試聴できたんですけど、その音源たちを聴いてみた結果…ほら、かっこいい!ってなったわけです。もう一発で好きになりました。

 


■ArtTheaterGuildは、

 

ギター・ボーカル:伊藤のぞみ(男性!)
ギター:木村 祐介
ドラムス:浅井萌(この人は女性)

 

というメンバーで構成されている3ピースバンドであるようです。奇しくも、the pillowsと同じメンバー構成ですね。

 

カミナリグモに関しては、ギターボーカルとキーボード&シンセの2人が正規メンバーで、サポートでベース(the pillowsの元サポートだった鈴木淳さん…)とドラムというメンバーだったので、特にキーボードが居るというところは、ピロウズとは大きく違うところでした。

 


で、こんなこというと、両バンドに失礼なのかもしれないけれど、ArtTheaterGuildは正統なthe pillowsロックの後継者という感じがしています。

 

カミナリグモもArtTheaterGuildも、山中さわおさんにプロデュースしてもらったから、ということもありますし、そもそも両バンドとも、the pillows山中さわおさんに憧れ、また影響を受けてきたことは、その楽曲の至るところからにじみ出ているんです。

 

ただ、先述の通り、バンドの構成上、ArtTheaterGuildの方が、より近いものになるというところもあるかもしれないですね。カミナリグモは、キーボードがメンバーに居て、その音が前面に出ているので、the pillowsに似ているようで、全然違うような印象を受ける曲も多くあります。

 


まぁ、それぞれのバンドにはちゃんとオリジナリティーはあって、どのバンドも区別して好きなんですけどね。the pillowsっぽいなって思ったのは、ごく最初の方だけで、聴き続けていくとあんまり思わなくなっていきました。

 


■ということで、ArtTheaterGuildのアルバム『HAUGA』、曲数が少ないので、少しずつですが全曲紹介してみたいと思います。

 

ちなみに、ArtTheaterGuildの公式のブログにおいて、ボーカルの伊藤さんがアルバム『HAUGA』について語っておられていますので、それも参考にさせていただきました。

 

その記事はこちらになります。↓

ArtTheaterGuild • 「HAUGA」

 


01.Stamen

Stamen

Stamen

  • ArtTheaterGuild
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

Stamen(ステイメン)の意味は、植物の雄ずい(おしべ)であるようです。イントロを聴いた瞬間に、ああ、これ好きだわ…って直感で思いました。何ていうか、ピロウズでいうと、【ノンフィクション】みたいなゆるいイントロです。

 

それで、後述するどの曲もそうなんですが、ArtTheaterGuildは、歌詞が不思議で面白いんですよ。独特で意味が分からないフレーズも多いですが、歌詞の雰囲気は、ピロウズと全然似てないと思います。

 

曲の解釈としては、別れを迎えてしまった男女が居て、おそらくその男の方が、みっともなく未練たらたらと女性のことを思っているような歌です笑 ただ、そうなってくると、Stamenは何を表しているんだろうって思ってたんですが、記事には、こんな風に書いてありました↓

 


Stamen(ステイメン)は「雄蕊(ゆうずい)」という意味を持ちますが、俺の中では「人の持つ人格の核」という感じの意味合いでこの単語を曲中で歌っているつもりです。

 

「ステイメン」「Stay man」「捨て意芽」

 

面白いトリプルミー二ングですよね。歌詞の中に、”「顔だけの朝顔と同じで ジョウロを持つ誰かを待ちぼうけ」”というフレーズがあって、そこがまさしく、ずっと一緒に居た人と別れて取り残されてしまった気持ちを(Stay man)、置き去りにされてしまった植物(Stamen)にかけている、という感じになるんですかね。

 


ちなみに、アルバム収録曲では、この曲にだけMVがあります。もちろん、曲がフルで聴けることが一番うれしいことなのですが、それに加えて面白いのが、MVの中には、あからさまにthe pillowsを思わせるものが出てきます。

 

パッと見て確認できるのは、the pillowsのアルバム『MY FOOT』が出てくること、ボーカルの伊藤さんが来ているTシャツが”フリクリ”のTシャツであること、Tシャツの山から拾い上げられたTシャツの柄が、the pillowsの”purple apple”であることなどがありました。この様子だと、まだありそうですが、どうでしょうか。

 

youtu.be

 


02.TOYRING

TOYRING

TOYRING

  • ArtTheaterGuild
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

この歌に関しても、【Stamen】と同じように、別れた後の男女のことを、男性目線で歌っているような感じがします。

 

ボーカルの声質や、メロディーやギターの音質の感じが、この曲に何となく、気だるい感じをまとわせています。

 


03.MADDERGOLD

MADDERGOLD

MADDERGOLD

  • ArtTheaterGuild
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

このアルバムの中だったら、一番好きな曲です。

 

イントロから、もうやられちゃいました。1曲目の【Stamen】といい、この曲といい、このバンドの作り出すイントロから、もう胸をグッと掴まれちゃうところを思えば、僕は本当にこのバンドのことを、これからも好きでいられるんだろうなって思います。特に、ギターの音や演奏(ソロやリフも含めて)が、どの曲も本当にいいんです。

 

曲としては、すごい壮大な曲です。最初は穏やかに曲が始まったらと思ったら、サビで一気に盛り上がっていく感じ、この落差がたまりません。何でもかんでもピロウズで例えるのは良くないですが、奇しくも、先程の【Stamen】の話で出てきた、アルバム『MY FOOT』の【さよならユニバース】みたいな感じがしました。

 

ちなみに、MADDARとは植物の茜(あかね)という意味で、例えば、MADDER REDで”あかね色”とかっていう意味になるんですけど、この曲のタイトルは、どういう意味になるんですかね。曲の中に、

 

(出だしの歌詞が)

窓から飛び降りた
日差しはどこに向かうのかな

 

(終わりの歌詞が)

窓から飛び込んだ
日差しが僕を貫いている

 

という表現があるので、その日差しの色を表現している言葉なんですかね。赤っぽい金色みたいな感じ…夕焼けの色を想像しました。

 


04.蝶の舌

蝶の舌

蝶の舌

  • ArtTheaterGuild
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

そういえば、全然内容は覚えてないけれど、たまたま見た昔の映画で、「蝶の舌」っていうのがあったなって思ってたら、どうやら本当にその映画から着想を得たらしいです。

 

記事の中で、ご本人が触れているとおり、アルバムの中だったら、音が極力少なくなっていて、一番おとなしい曲になっています。

 

歌詞の内容は、これまた別れて未練たらたらの男性の歌なのかな、とか思ったんですけど、どうやらこれは倒れてしまった母親のことを歌われた歌であるようです。

 


05.HOME ALONE

HOME ALONE

HOME ALONE

  • ArtTheaterGuild
  • ロック
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蝶の舌】が、どうやら映画から着想を得たらしいので、この曲も同様に、もしや映画の「HOME ALONE」から着想を受けたのかな、とか思ったんですけど、どうなんですかね。

 

この曲のみ、全編が英語歌詞になっています。ピロウズのアルバムも、1曲は英語歌詞の曲を入れることが通例になっているので、それをリスペクトしてのことでしょうか。

 

この曲もやっぱり、ギターのフレーズにハマってしまいます。

 


■あとは、アルバムタイトルの『HAUGA』についてですが、最初何て読むんだろうって、そこからよく分かりませんでしたが、英語でもこの言葉を見つけることが出来なかったんです。ご自身が語っておられることによると…

 


かっこつけたセリフも許してくれるなら、
映像の無い一つの「邦画」として、俺たちの「萌芽」の瞬間を見つめてもらえたらと思います。
俺たちが芽吹き飛ばした種を、誰かの心が受け止めてくれますように。

 

ということだそうです。


1曲1曲が、不思議な世界観を持つ「邦画」のワンシーンのような、しかも、それらの曲が繋がっているような風にも読めさえすること。

 

山中さわおさんという、強力なバックアップを経て制作された、初めての全国流通アルバムによって、植物が「萌芽」(芽が出ること)するように、ArtTheaterGuildの活動が、さらに進んでいくこと。

 

そもそも、バンド名が”ArtTheater”Guildですからね、曲やアルバムを通じて、一つの映画(邦画)を見せているような世界観を守っているのでしょうか。

 

ここもダブルミーニング的ですね。本当に、言葉の使い方が面白いというか、おしゃれというか、そういうところも、ArtTheaterGuildの魅力になっていると思います。これからがすごい楽しみなバンドです!

おじさんの音楽レビュー#34 『手 / teto』

手

【手 / teto】

 

収録曲
01.hadaka no osama
02.高層ビルと人工衛星
03.トリーバーチの靴
04.奴隷の唄
05.市の商人たち
06.洗脳教育
07.種まく人
08.散々愛燦燦
09.マーブルケイブの中へ
10.Pain Pain Pain
11.拝啓
12.溶けた銃口
13.夢見心地で
14.忘れた
15.手

 


■遅れましたが、あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。

 

僕は、スピッツ大学というブログも書いているのだけれど、そっちの方が今一段落して更新休止しているので、こっちのブログも頑張ろう…と思った矢先だったのに、結局全然書かないまま、2019年も1ヶ月過ぎてしまい、久々の記事と相成ってしまいました。

 


■さて。

 

何を今更…という感じになるような気もするのだけれど、最近はtetoというバンドにハマっている。今回は、その話をしたい。

 


バズリズムという音楽のテレビ番組があって、その番組において、新しい年が始まるタイミングで、その年にヒットする(バズる)アーティストを、「バズるアーティスト」として紹介するのが恒例になっている。

 

それで、今年の…ではなく、さかのぼること、去年(2018年)に発表されたバズるアーティストの第2位に、このtetoがランクインしていた。ちなみに、2018年に紹介された、「バズるアーティスト」ベスト10は以下の通り。

 

1位、CHAI
2位、teto
3位、SIX LOUNGE
4位、ハルカミライ
5位、ドミコ
6位、BiSH
7位、Ivy to Fraudulent Game
8位、Hump Back
9位、Saucy Dog
10位、緑黄色社会

 

どうでしょうか、振り返ってみると、これらのバンドはちゃんとバズったんだろうか…というより、どれくらいになったら”バズった”と言えるのだろうか。

 

まぁ、とにかくtetoが第2位にランクインしてたんだね、僕は知らなかった…いや、多分見てたんだと思うんだけど、その時は記憶に残らなかったんだと思う。

 

それが、年始から少し時間が経って、2018年9月26日に、tetoはアルバム『手』を発表した。このアルバムは、tetoにとって初の全国流通版(いわゆる、普通に全国のレコードショップで売られるように作られたレコード)であるらしい…だからこそ、僕もレコードを手に取ることができたわけだけど。

 

僕は最初このアルバムを、レコードショップの試聴機で聴いたんだけど…これがもうぶちかっこよかった。何だ、何なんだこのバンドは!?と、いきなり衝撃を受けた。

 

ただ、その最初の出会いから半年くらいスパンが空いて、つい最近になって、現物のアルバムを手に入れることができた。もうそれからというもの、最近はずっとtetoを聴いている毎日なんです。本当にかっこいい。

 


■tetoがどんなバンドかというと…こういう説明をすると、各バンドに失礼かもしれないけれど、僕はtetoを聴いて個人的には、GOING STEADY銀杏BOYZ)とandymoriという2つのバンドを思い出した。

 

アグレッシブに動き回りながら叫ぶように歌う姿は、GOING STEADY…特にボーカルの峯田さんを思わせるし、まくしたてるように歌っている歌に関しては、andymoriを思い出させる。

 


特に、GOING STEADYは、僕が高校生の時に流行ったバンドで…他にも、175RBRAHMANシャカラビッツB-DASHなどが、インディーズに犇めいていて、みんなが変なテンションで聴いていたのを思い出す。

 

僕は、それら全部のバンドを好んで聴いていたわけではないけれど、GOING STEADYは、高校に入って特に仲良くなった、ちょっとやんちゃな友人Nが好きなバンドだったので、その影響でGOING STEADYだけは好んで聴いていた。

 

だからね、tetoを聴くと何かすごい懐かしい気分になる。銀杏BOYZとは何か違うんだよね、やっぱりGOING STEADYという感じが近い。だから、高校生の頃に流行ったバンドの中にtetoが入っていても、きっと遜色は無かったと思う。

 

そもそも、tetoのボーカルの小池さんが、峯田さんに影響を受けた節があるようで、自身の音楽感にも大きく影響を受けたのだろうと察することができる。そして、そういう縁もあって、2018年の銀杏BOYZのライヴツアーに、ゲストでtetoが出演したそうだ。

 


andymoriに関しては、関係性は分からないけど、先述したように、まくしたてるように歌っているところとか、特にandymoriの初期の感じに、すごい似ていると思った。

 

andymoriに関しても…そうか、2014年に解散したから、早いもので4年以上が過ぎたんだな。今はね、新しくALというバンドでやっていて、このバンドも大好きなんだけど、やっぱりandymoriは特別だったかな。

 


■それで…

 

正直なところ、僕はもう若くないので…少なくともGOING STEADYをよく聴いていた高校生の頃から15年以上は経っているわけで…何ていうか、もう今更になって、勢いフルスロットルな、いかにもパンクロックバンド!というものを好きになる元気はもうなかった。

 

そこへ来て、tetoというバンドは、先述の通りGOING STEADYのように、勢いがすごいバンドなので、それだけでは僕は、そんなに聴いてみようかなという気持ちにはならなかったと思う。

 

だけど、これもやはりGOING STEADYに通じる部分はあるのだけれど、勢い重視なのは確かなんだけど、歌詞を読んでみると、結構文学的だったりするんだよね。ノリだけで作ったんじゃなくて、グッとくるような歌詞が出てきて、そういうギャップにやられたりする。個人的に、グッときた歌詞を少し紹介してみると…

 


ねぇ 高層ビルが退屈に光って俺を嘲笑っているよ
ねぇ 人工衛星も孤独と飛び交って俺を嘲笑っているのか

【高層ビルと人工衛星】より

 


地下鉄のホームの壁に寄り掛かっても
形だけの彼氏の背中に寄り掛かっても
肌で感じる温度の差はそう全くもうなくて
私が必要とする差すらそう全くもうなくて

トリーバーチの靴】より

 


置いてきたあの季節や光景や
あの星は時代を超えて遊泳し続けているだろう

【溶けた銃口】より

 


大好きな優しい祖父も夜の冷たさや
アルコール、ストレスには勝てない
投げつけられた湯呑み 切った指先より痛む心がここに
「それでもあなたの父親代わりよ」涙を隠した姉さん
あの時よりなにより太陽に恥じないよう生きたいように息をしてるよ

【手】より

 


馬鹿馬鹿しい平坦な日常がいつまでも続いて欲しいのに
理想と現実は揺さぶってくる
でもあなたの、あなたの手がいつも温かったから
目指した明日、明後日もわかってもらえるよう歩くよ

【手】より


などなど。特に、最後に入っている表題曲の【手】なんてのは、メロディー・歌詞ともに、すごい名作だと思う、ホントに好きな曲です。こういう歌詞を、まくしたてるように熱く叫び歌うものだから、さらに胸がグッと掴まれる。

 

ロックって、スピーカーのような働きをしている気がするんだよね、同じ言葉でも、ロックっていうものにのっかると、その言葉の熱量が何倍も膨れ上がるような気がするよ。

 


ということで、tetoかっこ良すぎです! 何曲か曲を貼っておきますので、良かったら聴いてみてください。

 

youtu.be

 

youtu.be

 

youtu.be

おじさんと音楽 2018年まとめ

NOW PLAYING / AL

NOW PLAYING

 

もう、元andymoriと言わなくていいよね。ALにとっては2枚目のアルバムだったけど、何かこの作品で、本当の意味でALっていうバンドがどういうバンドなのか、分かった気がするし、好きになれた気がする。

 

一曲一曲がとても潔くて、次から次へと、腹にたまることなく楽しむことが出来るので、さらっと聴けて、じゃあもう一回!っていう気持ちになるアルバム。

 

youtu.be

 

 


歓声前夜 / SUPER BEAVER

歓声前夜(初回限定生産盤)(CD付)

 

個人的に、すごい好きな曲と、あまりそうでもない曲が、極端に分かれたアルバムだった。結構、メンバーでシンガロングしているような曲が多くて、でも残念ながら、そういう曲に限ってあんまり自分にヒットしなかった。

 

ダントツに好きな曲として、【シアワセ】と【美しい日】があった。

 

【シアワセ】は、SUPER BEAVERがメジャー時代で迷走中(?)だった頃に作った曲で、元々はとても古い曲。いわゆる、それのリメイクっていう感じかな。ボーカルの渋谷さんの真っ直ぐなボーカルを、壮大なオーケストラをバックに重厚な演奏が盛り上げるものだから、胸が熱くなってくる。

 

【美しい日】は、シングル曲であるが、シングルで聴いた時はそんなに感じなかったんだけど、アルバムで聴くと、特に先述の【シアワセ】の次に入っている曲なので、また少し感じ方が変わった。

 

アルバム全体として歌っている一つのテーマとして、”シアワセ”とか”歓び”とかってのがあるんだと思うけど、まさにそれを歌っている、アルバムの核となるような2曲だと思う。

 

youtu.be

 

 


WHALE LIVING / Homecomings

WHALE LIVING

 

ホームカミングスは、このアルバムで、日本語を積極的に使うようになった。というより、英語歌詞の曲は、最後の【Songbirds】の1曲のみだけど。

 

個人的には、日本語歌詞には大賛成なんだけど、どうでしょうか? アルバムの作り方としても、今までとは違っていて、今作では、アルバム1枚でひとつの物語を表現しようと試みているので、そういう意味では、”読み物”として楽しめるように、やっぱり日本語の方が良いんじゃいかなって思う。

 

youtu.be

 

 


REBROADCAST / the pillows

REBROADCAST 初回限定盤

 

ピロウズのアルバムは、長いこと聴いていなかったんだけど、久しぶりに聴いてみたところ、とてもかっこよかった。

 

ピロウズは、2019年で結成30周年を迎える、ミスチルスピッツと同じくらい、とても長く長く活動してきたバンドなので、もうそれだけで素晴らしいと思える。僕がピロウズを知ったのが、結成15周年のときだったので、もうかれこれ15年も聴いてきたと思うと、何かその折り返しに今差し掛かったみたいで、とても感慨深くで、またちょっとピロウズ熱が再燃しているところ。

 

youtu.be

 

 


話がしたいよ / BUMP OF CHICKEN

【Amazon.co.jp限定】話がしたいよ / シリウス / Spica (初回限定盤)(CD+DVD) (A4クリアファイル付)

 

今年、本当にたくさんの曲を発表したBUMPだけど、その全部が全部、自分にとってしっくりくる曲だとは言えなかった。

 

その中でも、この【話がしたいよ】は、個人的には、久々に大ヒット曲になった。歌詞がすごい好きで、”ボイジャー”とか、ちょっと昔からのファンにとっては、ニヤリとするような言葉を入れてるところとか、にくいなぁって思った。

 

曲の感じは、【友達の唄】とか【コロニー】とかに似てるかな。どっちも好きな曲なので、嬉しかった。

 


ちなみに、年始の箱根駅伝の中で流れるCMのテーマソングとして、BUMPの【ロストマン】が選ばれたそうで、何を隠そう、【ロストマン】でBUMPにハマった自分にとっては、とても嬉しいニュースだった。

 

来年、新しいアルバムが出るかな。もうストックが溜まりすぎてるから、完全な新曲としての収録曲は、そんなにないかも?全曲、何かしらのタイアップなんじゃないかって勢いでしょ。

 

youtu.be

 

 

■2018年に知って、ハマりそうなアーテイストたち

 

ズーカラデル

夢が醒めたら

 

スピッツの草野さんも推しているようで、自分の中でかなりきているバンドの一つ。ボーカルの声がとても好みで、あとロックではあるんだけど、ちょっと可愛らしさを感じるような歌詞とメロディーが魅力的。

 

最初に、【アニー】という曲を聴いたときに、すげぇいい曲に出会った!と感動して一瞬で惚れ込んだ。もうこの曲が、頭から離れなくなってしまって、しばらくずっとこの曲だけ、youtubeで聴く生活が続いた。

 

今のところ、この【アニー】が入っているミニアルバム『リブ・フォーエバー』しか持ってないのだけれど、どうやら新しいミニアルバム『夢が醒めたら』が発売になっているらしい。聴きたいなぁ。

 

youtu.be

 

 


ArtTheaterGuild

HAUGA

 

個人的に、ずっとその気持ちが続いていくかは別として、1年に2,3バンドは新しいバンドを好きになりたいなぁって思っている。まぁ、そんなに熱心に探しているつもりではないんだけど、何かポコッとそういうバンドに出会えることがあって嬉しい。

 

今年に限っては、特に…というものを挙げれば、先述のズーカラデルと、このArtTheaterGuildを挙げたい。どっちも、久しぶりに自分にどんぴしゃで好きになったバンドだ。

 

ArtTheaterGuildは、the pillows山中さわおさんがプロデュースしたバンドなんだけど、聴いてみるとすごいかっこよかった。同じように、さわおさんプロデュースのバンドで、カミナリグモというバンドがあるのだけど、それとはまた違った雰囲気のバンドで、自分にはどんぴしゃだった。

 

何ていうか、こんなこと言うと、両バンドに失礼かもしれないが、ArtTheaterGuildは、正統なピロウズロックの継承者っていう感じ。カミナリグモよりも、かなりこっちの方が、ピロウズと似たようなテイストを感じる。

 

だからと言って、オリジナリティーがないわけではなくて、歌詞の感じもすごい独特だし、ちょっと気だるい感じのボーカルもクセになるし、ギターのリフとかすごい好き…何か好きなところを具体的に説明するのが難しいバンドだね。聴いてみた方が早いっすね。

 

youtu.be

 

 


17歳とベルリンの壁

Object

 

”17歳とベルリンの壁”が、バンド名である。もうそこから、結構異質な感じがするバンドだよね。

 

何がきっかけだったかはもう覚えていないけれど、今年のいつだったか、シューゲイザーというジャンルの音楽に興味を示したことがあった。ろくすっぽ、シューゲイザーという音楽は聴いたことがないんだけど、何故か聴いてみたいと思ったのだ。

 

それから、自分にしっくりくるような、シューゲイザーバンドを探す日々がしばらく続いた。ネットで、シューゲイザーバンドと言えば…みたいな感じで、色んな方が紹介されているバンドを聴いてみたりして、色々探した。

 

例えば、スーパーカーとか(これはシューゲイザーですか?)、初期のきのこ帝国とか(これはシューゲイザーですよね?)、その他もう名前も覚えていないけれど、色んなバンドを聴いてみた。

 

その結果、あぁ、自分が(何故か)聴きたいと思ったシューゲイザーはこれだ!と思える、一つのバンドに出会った。それが、”17歳とベルリンの壁”というバンドだったわけです。この名前にもひかれたかな。

 

シューゲイザーって、個人的には、ノイジーなギターの音が轟々となっている中、ほとんど聴こえない感じで、ボーカルが気だるそうに歌う音楽、と勝手に思っていたので、17歳とベルリンの壁は、まさにそれに当てはまるバンドだった。シューゲイザーって、何か気持ちいいよね、聴いていると。

 

(何と、youtubeで公式に全曲配信されている!)

youtu.be

 

 


Cattle

Somehow hear songs.

 

これも、17歳とベルリンの壁と同じく、シューゲイザー枠。

 

個人的には、Homecomingsがシューゲイザーをやってみたら…みたいな感じのバンドだと思う。そういうジャンルがあるのかは知らんけど、ちょっとポップ寄りのシューゲイザーかな(?)。いかんせん、まだ情報が少ないので、ちょっと興味を持って聴いてみようかなって思っているところ。

 

youtu.be

 

 


teto

手

 

今年、初めて全国流通のフルアルバム『手』を発売させたばっかりだそうだけど、このバンドはかっこいいねー。試聴機で一回聴いただけなんだけど、身体を電気が走った気分になった。

 

曲調は、どこまでもロックなんだけど、それに対して、歌詞が結構文学的な感じで、そのギャップが面白いね。どこかGOING STEADYを思わせる節がある。

 

youtu.be

 

 

 

それでは皆様、良いお年をー。

おじさんの音楽レビュー#33 『ロストマン / BUMP OF CHICKEN』

ロストマン/sailing day

ロストマン / BUMP OF CHICKEN

 

■年末になって、こんなニュースが流れてきた。見た方が早いので、まずその記事を載せておく。

 

natalie.mu

 

要約すると、BUMP OF CHICKENが2003年に発表した曲【ロストマン】が、2018年の正月(1月2日・3日)に放送される箱根駅伝の中でオンエアされる、箱根駅伝に関するCMのテーマソングに起用された、というもの。

 

これに関しては、僕自身がBUMPを好きになったきっかけが【ロストマン】で、今でも大好きな曲なので嬉しいのだが、その反面で、「やっぱり昔の曲は素晴らしいね」という気持ちと、最近の曲の自分に対しての”ハマらなさ”を、改めて感じてしまい、少しモヤモヤが残ってしまう。

 

最近の新曲では、【ロストマン】を聴いた時のような、胸をぎゅっと掴まれるような気持ちをあんまり感じないので…ただし、【話がしたいよ】は別格だったよね、あれはすごい良い曲だと思う。

 

まぁ、何はともかく、【ロストマン】が好きな僕にとっては、嬉しいニュースが流れてきて、懐かしさがこみあげてきたので、この曲に対する想いと解釈を書いてみようと思い立ったわけです。

 


■さて。

 

BUMPと僕の最初の出会いは、高校生の時だった。【天体観測】が発表されて、すごい流行ったんだけど、その時は、特にBUMPにはハマらなかった。変わったタイトルの曲だなと、珍しさは感じたけれど、藤原さんと増川さんの顔の区別もつかぬまま、その時は過ぎていってしまった。

 

そこから少し時間が経って、僕は大学生になった。僕は暮らしていた街を離れて、大学に通うため一人暮らしを始めた。そんな、大学生になりたての頃のこと。

 

身近にあったレンタルショップに行った時に、有線か店員チョイスのプレイリストだったのか、それは定かではないが、店内で流れていたとある歌が、何故か耳に残ったことがあった。

 

これも定かではないけれど、「どっかで聴いたことあるような声だな」くらいは、思ったかもしれない。とにかく、いい歌だな、と記憶には残ったのだが、それがどういうバンドのどういう曲かは、検討もつかなかった。

 


それで、家に帰って、夜中に「カウントダウンTV」を見ていた時だった。レンタルショップで流れていた曲が、ランキングを見ていたら流れてきた。そうそう、この曲だった!と、すぐに思い出せるほど記憶に残っていた。

 

そこでアーティスト名と曲名を確認して、初めてそれがBUMP OF CHICKENの【ロストマン】という曲だということを知ることになった。

 

その時に、BUMPと言えば、そういえば高校の時に、【天体観測】で流行ったバンドだったよなぁって、思い出すことはできたんだけど、そこからどうなったかは知らなった。だから、別に悪い意味で言うわけではないが、あの【天体観測】のバンドが、こんな渋い感じの曲を歌っているんだって思った。

 

すぐに、件のレンタルショップにて、シングル『ロストマン / sailing day』をレンタルして聴いてみることになるのだが、これがまた、ドンぴしゃで僕の心を掴んだ。【sailing day】の方も、もちろん素晴らしい曲だったんだけど、やっぱり【ロストマン】は特別だった。

 

何ていうか、重厚で渋い感じだが、少しずつ盛り上がっていって、希望に向かっていくような曲調が、新しい生活を始めたばかりの自分には合っていた。

 


そして、やっぱり【ロストマン】の真骨頂は歌詞だと思う。

 


状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も思い出せるかい

 

こういう、語りかけるような歌詞で曲が始まるわけだけど、ここもまた、新しい生活を始めたばかりの自分には合っている歌詞だと思った。新しい生活の調子はどうだいと…しかも独りなので、自問自答するしかなかった。

 


■【ロストマン】の歌詞の個人的な解釈を書いてみると…

 

まず、【ロストマン】には、”僕”と”君”の2人の人物が出てくるわけだけど、この歌では、”僕”が”君”に別れを告げてるような場面、あるいは、別れたあとの”僕”の気持ちの様子が描かれている。

 


状況はどうだい 居ない君に尋ねる
僕らの距離を 声は泳ぎ切れるかい

 


強く手を振って 君の背中に
サヨナラを 叫んだよ

 

関係性は色々考えられると思うけど…例えば、古くから一緒に居た友達だったり、この曲のことを知ったときの僕の状況であれば、親の元を離れていく子どもなど…”僕”と”君”が居て、”僕”にとって、別れを惜しむ相手である”君”と、まさに別れなければならない場面に際して、あるいは、実際に別れた後の生活の中で、”僕”がその気持ちを吐露している、と考えられる。(あんまり、恋人同士という感じでは無いような気がするけど、どうだろうか)

 

というように、素直に読めば、”僕”と”君”とくれば、その両者は別人であると考えることが自然だと思うし、思い入れのある人が誰かいるのならば、そういう人を”君”に当てはめて読んでも、おそらく成り立つようにできていると思う。

 


■しかし、個人的には、この歌詞に出てくる”僕”と”君”は同一人物を表している…つまり、”僕”も”君”も、どちらも”僕自身”を表わしている、という物語を想像するようになった。

 

人は、きっと大なり小なり、日々色んな選択をしながら生きているのだと思う。小さいものを言えば、本当にキリがないけど、大きな選択と言えば、進学、就職、結婚などという、長きにわたって、自分の人生の方向性を決める選択というものが挙げられる。

 


そういう様々な選択を前にして、この【ロストマン】に出てくる”僕”と”君”は、それぞれ違う選択をした同一人物だという想像をした。

 

もう少し具体的に言うと、”僕”の方は、文字通りの現在の自分であり、”君”の方は、現在の自分とは違う選択をした自分だと想像している…何を言っているんだ?って感じだけど。

 

さらに言うと、”僕”の方が、より険しい道を進む選択をした自分というイメージになるかな。例えば、ある時点で、何か自分が叶えたい夢があったとして、でも頑張ったとしても叶うとは限らない…という状況で、それでも、夢を追うという道を選んだのが”僕”、そして、その夢を諦めて、無難な道を選んだ自分が”君”というイメージを当てはめている。

 

この歌に出てくる”僕”は、自分の選んだ道が正しかったのか、常に自問自答しながら(”君”に語りかけながら)も歩き続けているのだが、歌が進んでいくにつれて、少しずつ希望を見出していく、その気持ちの変化を読むことができる。

 



状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も思い出せるかい
選んできた道のりの 正しさを祈った

 

先程紹介した、出だしの1番Aメロの歌詞だが、”僕”と”君”が同一人物であるという解釈に立つならば、ここの部分は、”僕”が”僕”に尋ねているので、素直に現在の自分との対話であると読むことができる。

 



君を失った この世界で 僕は何を求め続ける
迷子って 気付いていたって 気付かないフリをした

 

1番のサビであるが、ここで初めて”君”という言葉が出てくる。さらに、続く2番のAメロでは、”状況はどうだい 居ない君に尋ねる”という歌詞になり、1番との対比と考えるならば、”僕”の心情としては、まさに”迷子”=”ロストマン”であり、あの時のあの選択は、別の選択をした”君”と比べてどうだったんだろうかと、さらに苦悩を深めていることが分かる。

 


しかし、そういう想いを振り切るように、次第に力強く気持ちを新たにしていくのである。

 


強くてを振って 君の背中に
サヨナラを叫んだよ

 


これが僕の望んだ世界だ そして今も歩き続ける
不器用な 旅路の果てに 正しさを祈りながら

 

2番のサビの歌詞であるが、ここはまさに、”君”との決別を表わしている部分だと思う。この時点で、”僕”はすでに、自分が”迷子”になっていることを自覚しているし、自分が”不器用”であることも認めているんだけど、まだ自分の旅の”正しさ”を願うことを諦めてはいない。

 

それを物語る強い言葉が、”これが僕の望んだ世界だ”という部分だろう。”君”というのは、要するに自分の”亡霊”であり、ここにいる”僕”こそが、選択した本物の自分なんだと。

 



ああ ロストマン 気付いたろう
僕らが丁寧に切り取った
その絵の 名前は思い出

 

余談だが、この【ロストマン】という歌は、元々は”シザーズソング”というものだったらしいけど(シザーズ / Scissors = ハサミという意味)、それはおそらく、ここの部分を表していたのだと思う。

 

ここの部分の解釈は、過去に縛られていたことからの脱却というものだろうか。ちょっと独特な言い回しだけど、”丁寧に切り取った その絵の名前は思い出”というフレーズは、いくら丁寧に切り取ったって、それは思い出に過ぎないんだよと…つまり、大切なのは今でしょ、ということを歌っているのだと思う。

 



君を忘れたこの世界を 愛せた時は会いに行くよ
間違った旅路の果てに
正しさを祈りながら
再会を祈りながら

 

そして、こういう歌詞で歌は締めくくられる。”間違った旅路の果てに 正しさを祈りながら”という、こんな風に全く真逆の言葉をくっつけるやり方って、藤原さんの書く詞のひとつの特徴だよね。

 

そもそも、この歌の中に出てくる、”正しさ”ってどういう意味なんだろうね?あるいは、”間違った”ってどういう意味なんだろうね?

 

本当は、その道を選択しただけでは、その道が正しいか間違いかなんて、誰にも分からないだろうし、そもそも、ある時点では”間違っていた”と思ったとしても、そこからもう少し歩いたら、また別の光明が見えてくるかもしれない。

 

だから、やっぱり、”自分が選んだ”ということを信じるしかないんだよね。それが、一番強い気持ちだと思う。だから、どこかで諦めたとしてもそれも同じことで、”諦めた”という選択をした自分を信じるしかないんだよね。

 

 

■ちなみに、【ロストマン】には、制作にまつわる一つの逸話があって。

 

この歌の作詞作曲を行った藤原さんは、【ロストマン】の作詞に、実に9ヶ月もの時間を要したというのだ。

 

9ヶ月間ずっと一つの曲の詞を考えているって、どういう心境になるんだろうね。どっかで、これでいいやって思っちゃうこともあると思うんだけど、そう思わずに、真摯に向き合って書いたんだということは、この9ヶ月という長い時間が物語っているように思う。

 

本当に【ロストマン】の歌詞は、完璧というか、緻密というか、どこにも無駄なフレーズがない気がする。さっきも言ったように、(僕自身の想像も大いに含めているけど)”僕”と”君”の対比のからくりとか、本当に秀逸だと思う。長い時間かけても、良いものが出来るとは、決して限らないとは思うんだけど、この【ロストマン】の歌詞を読むと、かけた時間の分だけ、言葉の重みが伝わってくるので、9ヶ月は必要な時間だったのだろう。

 


だから、ここまで読んできて、はたと思う…ここでいう”ロストマン”とは、藤原さん自身でもあったのかなって。

 

音楽の道を選んだ自分を”僕”、選ばなかった自分を”君”として、しかも9ヶ月もかけて、一番自問自答を繰り返したのは、藤原さん自身だったのかなって思う。

 

 

■ということで、長くなりましたが…。

 

紛れもなく、BUMP OF CHICKENの最高傑作の曲のひとつである【ロストマン】、どういう風にCMに使われるんだろうね。お正月の朝は駅伝を見て、【ロストマン】をチェックしてみてください。

 

ロストマン

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