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曲を書きたくなる衝動を与えてくれる何かが、東京にはあるのかなぁ

カフカ

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【Tokyo 9 Stories / カフカ

 

■東京…それは不思議な街である。

 

このアルバムにも入っているが、【東京】というタイトルの曲はたくさんあるのに、世の中に、福岡、とか、広島、とか、北海道、とかっていうタイトルの曲がないのは、なんなのかな。ロックバンドは必ず、【東京】という曲を作る決まり、あるいは東京意外は作っちゃいけない、なんて決まりにでもなってるのかな、笑。

 

曲を書きたくなる衝動を与えてくれる何かが、東京にはあるのかなぁ。…ちなみに、31になる僕だが、1度も東京に行ったことはないのだ。当然、暮らしたこともない。だから、そういう気持ちは分からない。

 


■アルバムのタイトルの意味は、”東京で巻き起こる9つの物語”という意味だろうか。M10に【東京】という曲が入っているが、これはこのアルバムのエピローグ的な位置として、M1~M9が9つの物語を担っているだろう。

 

東京、という街を舞台に巻き起こる色々な物語…というより、東京と言う街で暮らす色んな人の日常を切り取って歌にした、というところか。

 

そういうコンセプトの通り、曲のタイトルや歌詞やテーマなどが、より具体的というか、現実的なものになっている。M1には”青山通り”という地名が出てきたり、M3にも”新宿駅”という地名が出てきりしてね。

 


■ところで、このカフカというバンド。

 

僕は、割と長いこと、その活動を追ってきたが(ライブは一度も見に行ったことはないが)、変わったなぁって思う。それは、良い意味でも、悪い意味でもある。

 

まず根本的に、もともとこのバンドは3ピースのバンドだった。そこから、ミニアルバム『空を継ぐものたち』を境に、一人メンバーを増やして、4ピースのバンドになった。

 

僕の感覚では、その前後で、バンドの雰囲気が変わったような気がする。なんというか、独特な世界観が薄まったというか。4ピースになったことで、まぁ単純にギターが1人(このメンバーは、プログラミングも担当しているらしい)増えたので、一度の演奏で鳴らせる音は増えたわけで、そこはバンドとして、曲の幅が広がったことにはなるのだろう。

 

ただ、独特な世界観を変える必要はあったのかなって思う。2枚目のアルバム『cinema』のキャッチコピーが、”例えば、どこにも存在しない世界の物語”だったが、その雰囲気・世界観が、僕は何となく好きだった。でも、このところのカフカの楽曲は、むしろその逆、つまり、この世のどこかにありそうな物語、を歌っているような気がする。よりリアリティを歌うようになったということだ。

 

でも、今回のアルバムは、それが、やけに板についてきたな、というイメージを受けた。2枚でひとつというコンセプトで作られた2枚のミニアルバム『呼吸 -inhale-』『呼吸 -exhale-』と、前アルバム『Rebirth』を経て、新しい世界観、そして4ピースという新しいバンドの型が完成してきたんじゃないかなと思う。

 


■ということで、このアルバムは、新しいカフカの出発の1枚だと思う。東京をコンセプトにはしているけど、色んな人々の生活・日常を通して、この世界のことを歌うとしているのは、東京だろうが何だろうが、関係ない。彼らが過ごした場所が、”東京”だったってのに過ぎない。僕は僕の街を、君は君の街を思い浮かべながら、この1枚を聴いてみると、より親近感がわくかも知れないね。

 

お気に入りは、M1【She’s like Sofia Coppola】、M3【サンカショウ】、M7【bananafish story】あたりかな。

 

ニンゲンフシン / カフカ

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