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andymoriの話

andymori

 

■2020年8月30日の深夜。

 

音楽番組「Love Music」に、小山田壮平さんが出ていました。珍しく…というより、地上波のテレビで壮平さんを見るのは、僕自身は初めてだったので、興味深く見ました。

 

この頃、小山田壮平さんは、初のソロアルバム『THE TRAVELING LIFE』を発表しました。実に彼らしいアルバムタイトルで、ギターを片手に旅に出て、色んな場所で弾き語っている彼の姿が想像できるような、彼にぴったりのタイトルだと思いました。

 

テレビ番組出演の際にも、その収録曲の【HIGH WAY】を歌っていました。ベースが藤原寛さん(元andymori、現在もALのメンバー)だったことも嬉しかったですね、何か安心しました。

 

【HIGH WAY】は、andymoriやAL(こっちに近い感じは少しあるのかな)などのバンドでやっているような、ロックチューンとはがらりと雰囲気が違っていて、ロードムービーを思わせる優しい歌でした。出演時の彼の服装とも相まって(Tシャツと半ズボンという出で立ちでした笑)、気ままにふらっと歌いに来たという感じでした。そういえば、ギターは持っていなかったですね。

 

youtu.be

 

youtu.be

 


■ところで、何を隠そう、壮平さんと僕は同じ年の生まれで誕生日自体もかなり近く、後述しますが、とても奇跡的な出来事もあって、勝手に親近感を感じており、彼の音楽も含めて、同級生として応援している人物の一人なんです。

 

ただし、やはり個人的には、小山田壮平といえば、2008年にデビューし2014年に解散をした、伝説(と呼んでも良いでしょう)のロックバンドandymoriのボーカルその人という印象が強いです。自分が、小山田壮平の音楽に出会ったのも、まさにandymoriがきっかけでした。

 

今でも、小山田壮平はALというバンドは組んで活動はしていますが、何となくALはandymoriほど精力的ではなくて、気ままにやっているという感じがあります。なので、ALの音楽は好きなのですが、やっぱり自分にとっては、andymoriが至高の存在なんです。

 

ということで、今回は、個人的なandymoriの思い出なんかを語ってみたいと思います。

 


■まず、andymoriとの出会いなんですが…あんまり覚えていません!

 

時期としては、2nd album『ファンファーレと熱狂』が発売されて少し経った頃と記憶しているので、大体2010年の2月~3月くらいだったと思います。

 

多分、YouTubeで【FOLLOW ME】とか【1984】とか【Life Is Party】などの動画を観たことがきっかけだと思います。かっこいいバンドだなと思って、すぐに作品が欲しくなって、仕事帰りに(当時の仕事はかなり終わるのが遅かったので)閉まる寸前のCDショップに駆け込んで、とりあえず2nd album『ファンファーレと熱狂』を購入したのでした。すごい寒い日だったことは、何故かよく覚えています。

 

そういうわけで、andymoriに一気にハマりました。ほんとに、嵐のように現れて、短期間で急にハマりましたよ。当時、1st album『andymori』と2nd album『ファンファーレと熱狂』は、ずっと聴いていましたね。

 


余談ですが、andymoriは”和製リバティーンズ”と形容されることがよくあります。たまたま僕自身は、リバティーンズを知っていたので、初めて聴いた時から、まくしたてるように歌う雰囲気がリバティーンズっぽいなと思っていたので、和製リバティーンズという形容には、「やっぱり!だよな!」って感じで納得していました。

 

ちなみに、こんな感じのバンドです↓ どうですか、確かにテイストが似ていますよね。

youtu.be

 


■そして、思い出深かったのは、2011年。この年は、自分にとってandymoriイヤーとなりました。

 

まず、2011年6月8日。andymoriは3rd album『革命』を発表します。この頃は、初期メンバーであったドラムスの後藤大樹は抜けて、新しく岡山健二に変わっていました。

 

そういう時期の、ある日の仕事帰りのことです。まさに、その発売してすぐの『革命』をウォークマンに取り込んで、それを聴きながら、どこかでご飯を食べて帰ろうと、駅前を歩いていたんです。

 

そしたらですよ、何と、その駅前にandymoriのメンバーお三方がいるではありませんか!言葉通りですが、小山田壮平さんと、藤原寛さんと、岡山健二さんのお三方が、普通に立っているのです。いわゆる、みどりの窓口っていうんですかね、新幹線とかのチケットを買うところの前でしたが、おそらく、マネージャーが誰かが、チケットを買うのを待っているような感じでした。壮平さんは、何故か小さなギター(ミニギター?ウクレレ?)を、ポロンポロンと鳴らしながら立っていました。

 

今まさに、イヤフォンから聴こえてくる音源の主たちがそこに立っているなんて、何という奇跡だって、見つけた時は、もうそれはびっくりでした。それから僕は、一旦そこを通り過ぎて戻ってみたり、しばらく遠くから眺めて見たりした後、意を決して話しかけたのです。

 

「こんばんは!andymoriのお三方ですよね!ファンです!(ウォークマンを指さしながら)『革命』今聴いてます!」

 

おそらく、そういう感じで話しかけたと思います。そして、少しだけそこで立ち話をすることができたんです!しっかりと、自分がandymoriのファンであることをお伝えし、その年のSETSTOCK(広島にかつてあった夏フェス…)にandymoriが出るので、それを目当てに行くことをお伝えしたり、何故かクロマニヨンズの話をしたりしました。

 

それから、先述の通り、僕と壮平さんは同じ年の生まれ(1984年生まれ)なのですが、「壮平さん!僕、壮平さんと同い年なんですよ!」と言ってみたら、「おぉー!1984!」と言いながら握手してくれたんです!

 

お三方とも、気さくで良い人たちでした。当たり前ですが、自分が好んで聴いているアーティストも、普通に日常に存在してるんだなってことを実感しました。本当に奇跡的な出来事でした。そういうことで、勝手に壮平さんとは友達だと思っています笑。

 


■それから2011年は、SETSTOCKに行ってandymoriのライヴを生で初めて見たんですが(これも最高でしたが割愛)、その後、ワンマンライヴにも行くことができました。

 

ある日いきなり、大学時代のサークルの後輩…それも女性に誘われたんです!「先輩andymori好きなんですよね、チケット譲ってもらったんで行きませんか?」って感じでした。しかも、初めての”遠征”っていうんですかね、はるばる広島から大阪まで遠征したんです。

 

Zepp Osakaで行われた「秋の楽園ツアー」という、先述したアルバム『革命』のリリースツアーでした。セットリストを見つけたので、それだけでも載せておきます。

 

<セットリスト>
01.ユートピア
02.ベンガルトラとウィスキー
03.Transit in Thaiand
04.ダンス
05.青い空
06.ハッピーエンド
07.ナツメグ
08.グロリアス軽トラ
09.ボディーランゲージ
10.都会を走る猫
11.???
12.オレンジトレイン
13.無までの30分
14.楽園
15.???
16.スーパーマンになりたい
17.クレイジークレイマー
18.???
19.兄弟
20.1984
21.andyとrock
22.everything is my guitar
23.すごい速さ
24.革命
25.投げKISSをあげるよ

 

en1
26.16
27.Life Is Party
28.Sunrise & Sunset

 

en2
29.???
30.Peace

 

多分、???は【パーティーは終わった】、【在る光】、【706号室】(これは覚えている、何曲目かは忘れてしまったけど)などが入ると思います。

 


andymoriは、1曲1曲が短いので、同じ時間でもたっぷりな感じでした。飛び跳ねてモッシュに揉まれながら盛り上がったり、しんみりと聴いたりして、動静の楽しいライヴでした。

 

ちなみに、アルバム『革命』の表題曲【革命】が、実は当時広島カープで4番を打っていた、栗原健太選手が入場曲に使っていて、それを壮平さんがMCで触れていました。広島から遠征した自分にとっては、それも嬉しい出来事でしたね。

 


andymoriはその後、オリジナルアルバムとしては、4th『光』と5th『宇宙の果てはこの目の前に』を発表をしました。

 

あとは、脱法ハーブを吸って壮平さんが飛び降りてけがをしたとか、日本武道館にて再度ラストライヴをやり直したりなど、色んなことがありましたね。

 

結局、andymoriが活躍したのは、2008年にデビュー作『アンディとロックとベンガルトラとウィスキー』を発表して、2014年にラストライヴを行ったので、実に6年という短い時間だったんですね。もっとも、自分がandymoriを知ったのは、2nd『ファンファーレと熱狂』が発売になった頃のことだったので、僕とandymoriがリアルタイムで同じ時を過ごしたのは、さらに短く、4年くらいになるわけです。

 

そんな短い時間だったけど、非常に濃厚だったなと思っています。僕は歳を取ってしまって、現在ではもうそこから10年くらいが経ってしまって、もうその時のような経験はできないんだろうなって思うと、少し寂しい気もするけど、楽しかったですね。

 

そして、冒頭で話した通り、テレビで出ていた壮平さんを見てたんですけど、若いようで、壮平さんもまた歳を取ったなぁって感じました。それでも、彼が音楽を続ける限りは、それをどんな形でも、ずっと聴き続けていこうと思っています。頑張れ、同級生!という感じです。

 

今やっている、壮平さんのソロ活動は、やっぱり彼の真骨頂なんですかね?僕はまだ、ソロアルバムは聴けてないんですけど、聴いてみたいなぁ、とは思っています。でも、やっぱりバンドで活動する壮平さんが好きなので、ALの方でも活動してもらいたいものです。

 


■では、最後になりますが、andymoriで個人的に好きな曲ベスト5を紹介しておきます。

 

 

第5位 空は藍色

youtu.be

 

andymoriが発表したアルバムだと、甲乙つけ難いですが、ダントツで1st『andymori』と2nd『ファンファーレと熱狂』の2作品が好きなんです。逆に、3rd『革命』と4th『光』は…好きなんですけど、先の2作品に比べると、自分の中では少し好みから離れています。

 

で、そこからの、最後の5th『宇宙の果てはこの目の前に』なんですけど、個人的には、また盛り返して好きな作品になりました。1stや2ndを聴いた時のような衝撃は無かったですけど、良い意味で落ち着いていて、1stや2ndとはまた違う良い所があるなって思うんです。全作品の中でも、一番落ち着いて、ゆっくり歌詞を読みながら聴けた作品でした。

 

【空は藍色】は、そういう5thアルバムの収録曲でした。初期の頃とは違う雰囲気の、まさに聴かせる名曲だという印象…と思っていたのですが、皆さんこれ知っていますか?↓

 

youtu.be

 

『青の終わりはぐるぐると』という、自主制作映画のようですが、何と壮平さんが主人公で出ています。で、どうやら2007年に作られた映画のようですが、この映画のEDで【空は藍色】が流れるんです。なので、【空は藍色】は結構昔からあった曲だったんですね。何か、どこかに行きたくなるような、そんな曲です。

 

 

第4位 ハッピーエンド 

  

1stアルバムに収録されている曲です。この曲に、”ハッピーエンド”という名前が付いていることが、何か色々と考えさせられます。

 


はしゃぎまわたった友達が笑わなくなったのは
誰のせい?分からないが

 


もうだめかもしれないと
こぼした君の横顔すごくきれいで

 

こんな状況について、”ハッピーエンド”と歌っているわけですけど、どうなんですかね、一見すると”バッドエンド”のような気がしますけどね。

 


どうせどこにも行けないのなら
ずっとここにいてもいいんだよ

 

こういう表現とか、何かすごく納得してしまう時があります。壮平さんなりの励まし方なんでしょうか。

 

 

第3位 1984

youtu.be

 

2ndアルバムに収録されています。まず、この曲がアルバムの1曲目であることも、何ともにくいなぁって思うんです。

 

1984”とは、紛れもなく、僕や壮平さんが生まれた年を表わしています。何ていうか、何てことなかった自分が生まれた1984年が、この曲1曲でとても特別な年になった気がしています。

 

自分が生まれた年が、こうやって曲になったことについては、とても嬉しく思っていて、死ぬまでずっと変わらずに特別な曲なんだろうなって思います。

 


ファンファーレと熱狂 赤い太陽
5時のサイレン 6時の一番星

 

サビはこんな風に、ある意味でいさぎよいと思うんですけど、多くを語っていない分、逆にそれぞれの想像が膨らむ歌詞だなって思うんです。子どもの頃を思い出すような歌詞です。

 

 

第2位 teen's

youtu.be

 

5thアルバムに収録されています。個人的には、andymoriの曲の中でも、一番過激でメッセージが強い曲だと思うんです。

 

壮平さんの書く詩って不思議で、思想があるのかないのか、よく分からない感じなんですよね。あるんだろうけど、掴み取ろうとしても、スルスルと何処かに行っちゃったりしてね。

 

でも、この【teen's】という曲には、何かただならぬメッセージが込められているような気がするんです。ただ、それは多岐に渡っていて、自身の音楽活動に対する自問自答とも取れるし、反戦とも取れるし、貧困問題や環境問題とも取れるし、現代の若者の社会に対する憂い・風刺とも取れるし、色んなメッセージが込められていると思っています。

 

僕はどこか、ブルーハーツ(個人的には、【チェインギャング】が思い浮かびましたが)とか尾崎豊とか、そういう人たちが社会に向けて歌った歌の系譜だと思っているんですけど、どうですかね。

 

この曲が最後のアルバムに入っているということも考えると、こういうことをずっと思いながら歌を歌ってきたのかなって、壮平さんの心の奥底に秘めていた想いを感じます。これまでのandymoriの音楽に、一つの筋を通すような、ちゃんとした完結を示すような、そういう曲だと思うんです。

 


路上で歌うteenage blues 平和と愛が永遠のテーマ
必死で叫んでいるけど 誰も聴いちゃいないよ

 


海の色を知ってるか 空の色を知ってるか
忘れてしまいそうな あの青を探してる

 


どんなに綺麗に見せたって きっとどっかじゃ汚いんだろう
金がもしもないなら その手は人も殺すだろう

 


愛がすべてと言えますか 愛がすべてと言えますか
綺麗な顔のままで 死ねるなんて思いますか

 

そして、圧巻なのは、このライヴ映像。顔を真っ赤にして、血管が切れそうなほどに力強く歌う壮平さんには、どこか鬼気迫るところがあります。

 

すごい曲です。自分が死ぬまで、きっと心に残るんだろうなって思う曲の一つです。

 

 

第1位 Life Is Party

youtu.be

 

andymoriを知った最初のきっかけが、この曲や、【FOLLOW ME】や【City Lights】なんかのMVでした。最初に聴いた時から、変わらずにずっと一番好きな曲です。

 


10年経ったらおもちゃも マンガも捨ててしまうよ
Life Is Party 気にしないでいいから

 


あの日の空は言うさ
あの日の空は言うさ
いつの日か悲しみは消えるよって

 

”Life Is Party”…人生はパーティーみたいなものだと。パリピじゃない限り、そんなこと思えない…ってそういう意味じゃなくて、個人的には、楽しいことも悲しいことも、いずれは過ぎてしまうんだよ、っていうメッセージを受け取りました。

 

そういえば…と思って調べてみると、andymoriがラストライヴの最後にやった曲こそが、この【Life Is Party】でした。先述したように、andymoriが活動していた時間は、決して長くはありませんでした。だから、今思うとandymori自体が、さらっと始まって終わっていくものに重なります。

 

やっぱり、andymoriとして、壮平さんとして、この曲は特別な曲だったんですかね。

さよならなんかは言わせない / B'z

RUN

さよならなんかは言わせない / B'z

6th Album『RUN』収録曲

 

さよならなんかは言わせない

さよならなんかは言わせない

  • B'z
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

■僕は、こことは別に「スピッツ大学」なんてブログを書いているのですが、それほど自分にとって、スピッツは思い入れの強いバンドです。スピッツは、僕が小学生の頃、初めて”自分の意志で選んで”好きになり、それからもう25年くらいずっと一番好きで居続けているバンドなんです。

 

ただ、小中学生時代にさかのぼって思い出してみると、それと同じくらい…時によればそれ以上に、好きだったアーティストが居ました。それが、B'zです。

 

スピッツは、出会ってからずっと今まで好きで居続けているバンド、一方でB'zは、出会ってから少しずつ離れていってしまったバンドという違いこそありますが、両バンドとも大好きなバンドでした。

 


■さて、最近のことになりますが、このコロナ禍の影響があっても、少しでも自分たちの音楽を届けようと、たくさんのミュージシャンがYouTubeなどで、自分たちのLIVE映像を次々に配信しています。

 

前回記事に書いたBUMP OF CHICKENもそうですし、最近はスピッツもいよいよLIVE映像を配信してださいました。そして、そこにB'zも加わりました。

 

B'zは、期間限定ではありますが、本当にものすごい量のLIVE動画を上げて下さり、全部見ようと思っても時間がかかり過ぎて見切れないくらいの量です。僕も、そういえば久しぶりにB'zの歌を聴くなぁと、部分的に聴いているんですけど、時代を経ていっても、稲葉さんも松本さんもかっこいいままで驚くんですけど、やっぱり何よりすごいのが稲葉さんのボーカル力ですね。

 

ハードなロックの曲から、しんみりと聴かせるバラードまで、時にステージを縦横無尽に走り回りながら、ものすごい歌を歌う姿には、やっぱり日本一の…いや、世界でもトップランクのボーカリストであることは間違いないと思わせてくれます。【Brotherhood】というB'zで一二を争うくらいに人気の曲があるんですけど、そのボーカルとか本当にすごいと思います。

 

まぁ、そんな感じで色々とB'zのライヴ映像を懐かしく見ていたのですが、自分の中で一番好きな【さよならなんかは言わせない】という曲の映像を発見し、もう繰り返し見ています。その映像は、「【B’z】B'z LIVE-GYM 2001 -ELEVEN-」の20:50くらいから始まります。

 

ということで、今回は、主に子どもの頃のB'zの思い出話でも、語ってみます。

 

www.youtube.com

(【さよならなんかは言わせない】は、この動画の20:50くらいです。5月いっぱいの期間限定らしいので、もうすぐ消えてしまうのが残念…)

 


■まず、唐突なんですが、僕には歳の離れた兄が居ます。

 

結構離れているので、兄弟喧嘩をするとか、お互いを意識するとか、そういう感じは全くなくて、何ていうか、常に自分の人生の前を行く、憧れの存在に近かったと思います。そういうわけで、子どもの頃は、兄が読む漫画や見るテレビ番組、そして、兄が聴く音楽は、自分にとって憧れであり、広い世界の入り口でした。

 

兄の音楽の趣向で覚えているのは、いわゆる”ビーイング系”のアーティストの音楽をよく聴いていたということです。”ビーイング系”のアーティストと言えば、当時で覚えているのは、T-BOLANWANDSZARDDEENMANISHなどが挙げられますかね。

 

そして、その中でも特に覚えているのがB'zです。多分、兄が一番好きだったアーティストがB'zだったと思います。家の中や、父親が運転する車の中などで、よくB'zの歌が流れていて、僕も受動的にですが聴いていました。

 

当時僕は小学生だったので、B'zの音楽はとても大人っぽく感じましたね。それでも子ども心にも早々に、稲葉さんのものすごいボーカルと、ロックミュージックは響くものがあり、僕も好んで聴いていました。それが、小学生の中学年~高学年くらいのことです。

 


■中学生になり、僕には特に親しくしていた友人Nが居ました。

 

友人Nは、B'zのファンクラブに入るほど、僕以上にB'zファンでした。友人Nと会うと、よくB'zの話をしたものです。お互いの好きな曲の話をしたり、CDやカセットを貸し借りしたりもしました。B'zの話ができる友達がいるのは、とても嬉しかったんです。

 

そんな友人Nのおかげで、中学生~高校生の時代に渡って、通算3回もB'zのライヴを観に行くことができました。ファンクラブに入っていたから、僕は何もしなくても、友人Nがチケットを手配してくれたのです。ライヴに行くこと自体初めてのことで、中学生の僕らにとっては、ある種の冒険でした。

 

記憶がほとんど失われているので、めっちゃ調べてながら書いているんですけど、おそらく僕らが行ったのは、「B'z LIVE-GYM Pleasure 2000 ”juice”」、「B'z LIVE-GYM 2001 ”ELEVEN”」、「B'z LIVE-GYM 2002 ”GREEN”」の3つのライヴだったと思い出しています。

 

どのライヴも、とにかく素晴らしかったことくらいしか覚えてないのですが、一番記憶として残っているのは、動画で紹介しています、「B'z LIVE-GYM 2001 ”ELEVEN”」です。

 


■まず、このライヴを観に行った時期も、かなり特別だったんです。我が広島でこの”ライヴ ELEVEN”があったのが、2001年4月5日・4月6日で、時期としては、高校の春休みの終わり頃のことでした。(どちらの日に観に行ったかは思い出せません…)

 

この日は朝から、高校のクラスの友達30人近くで、平和公園周辺へと花見に出かけていたのです。クラス替えを間近に控え、旧クラスで集まる最後の機会だったので、最後の思い出作りでした。自分にとって、すごい好きなクラスだったので、楽しかったんですけど、ふと寂しく思ったを微かに覚えています。

 

それで、その花見が終わった後、夕方から友人Nと会ってB'zのライヴを観に行ったんです。今思えば、かなりアグレッシブな日ですね笑 ちなみに、友人Nとは中学校は同じでしたが、高校は違うところに通っていたので、会うこと自体も結構久しぶりだったことを覚えています。

 

何度も言うように、ライヴの記憶はほとんどないのですが、そのライヴで一つだけ強烈に覚えていることがあるんです。それは、そのライヴで、【さよならなんかは言わせない】という曲をやってくれたことです。

 


■【さよならなんかは言わせない】は、6枚目のアルバム『RUN』に収録されている曲です。子どもの頃、兄が買ったアルバムを何度も聴きました。

 

僕自身、今でもB'zで一番好きな曲はと問われれば、【さよならなんかは言わせない】と答えるほど好きな曲なんですが、だからこそ、ライヴでやってくれたことはとても嬉しかったんです。

 

それも、アルバム『RUN』が発売になったのは、ライヴを観に行った当時で考えても、実におよそ10年前の1992年のことですよ。LIVE-GYMは、アルバムリリースツアーなので、10年も前の曲である【さよならなんかは言わせない】をやったことは、まさにサプライズ選曲であったと思います。

 

イントロが鳴った瞬間、【さよならなんかは言わせない】だとすぐに分かりました。そして、友人Nと目を見合わせて喜んで、盛り上がったことをよく覚えています。まさか!という感じでした。

 


■長くなりましたが、その【さよならなんかは言わせない】自体の話を少しだけ…。

 

【さよならなんかは言わせない】は、ミディアムテンポでしっかりと聴かせる名曲なのですが、何といっても、この曲のイントロのギターのアルペジオが素晴らしいんです。僕自身も練習したりして、ここを上手に弾くことが憧れでした。

 

歌詞については、まぁこの曲が作られた時代のこともあるかもしれないですが…くさい感じの歌詞ですね。まぁ、この時代のB'zの歌詞は、そういう部分も魅力のひとつだと思っています。子ども心にも、そう感じていました。

 


で、その歌詞なんですけど、個人的にはちょっと、あれ?と思う部分があったりして、一筋縄ではいかない歌詞だな、とずっと子どもの頃から思ってきたのです。

 

タイトルから分かるように、この曲は別れの場面を歌っている曲で、歌詞の中では”僕”と”君”という2人の別れを描いています。そして、この歌詞の最後は、

 


さよならなんかは言わせない 淋しそうに太陽が沈んでも
小さな星で愛しあった 君は今もきっと笑っている

 

という風に、”愛しあった”という表現が出てくるので、この2人は恋人関係にあって、それを解消してお互いの道を進もうとしている、前向きな別れなのだということが、自然に想像はできます。

 


そういう感じで読んでいくんですが、普通こういう歌で、しかも【さよならなんかは言わせない】というタイトルだったら、僕個人的に思い浮かべる”ありきたりな”ストーリーとしては、例えば…

 

まず、”僕”と”君”が一緒に住んでいた街(故郷)があって、そこで僕と君は恋人関係にありましたが、時間が経っていくうちに、どちらかに夢ができて、2人が過ごした街をどちらかが出ていくことになったと…だから、恋人関係の解消と言っても、僕は君のことを想ったまま別れる…だから、”さよならなんかは言わないで”なのだと。

 

…という感じのストーリーをてっきり描いているのかと思ってたんです。しかし、何度も読んでいく内に、微妙に違うストーリーを今は思い描いています。例えば、この部分、

 


潮風は強く僕の頬をなでている
君を故郷に送る船が もう着くころ

 

そんなに遠くに行くわけじゃないのに 馬鹿だよね
分かれることがただ悲しいことにしか思えないから 見送れない

 

ね、ちょっとあれって思いませんか?個人的には、2つの”あれ?ポイント”があります。

 


①”君を故郷に送る船”という描写

 

歌詞を読んでいくと、僕は残る側なんですね。ということは、君が離れていく側だと考えられます。でも、君は”故郷”に帰っていくという表現になっているんです。こういう時に普通だったら、君が夢を追いかけるために”故郷”を離れていく、そしてそれを”故郷”に残る僕が見送る、というのが自然ですよね。

 

でも、そうはなっていない…君は”故郷”に帰っていくんですね。

 

例えば、僕と君の2人は、もうすでに故郷を離れて、都会で暮らしていたと。お互いに夢を持って頑張って生きていた。しかし、何らかの形で、君の方だけが諦めて故郷に帰ることになった…とか。

 

例えば、故郷を離れて暮らしている僕の元に、故郷から君がやって来た。そして、故郷に帰ってきて欲しいと、僕を説得したが、僕の決意は揺るがず、独りで君は故郷に帰って行った…とか。

 

こういう感じになるのかなと、面白いですよね。

 


②”見送れない”という部分

 

ここの部分も色々と考えられるのですが、これだけ別れの場面を歌っているのですから、僕は君の別れの場面に立ち会って、言葉の一つや二つかけたりしているのかな、とか思ったりしたんです。

 

が、”見送れない”とあるので、ひょっとしたら、僕は君の別れの場面には立ち会ってないのかもしれませんね。だから、”君を故郷に送る船”の場面には、僕は居なくて君は独りなのだと。

 

何か、そういうことを思うと、この歌の感じが全然違って聴こえてくるんですよね。

 


■あと、もう一つ、この歌詞について…

 


髪を切らないで この街にもう少し残ってみるよ

 

ここに関しては、いつも思い出す稲葉さんのエピソードがあって、wikiにそのエピソードが紹介されていたので、引用させていただきます。

 


教育実習になると、当時髪を伸ばしていた稲葉は実習先の中学校長から呼び出されて髪を切ってほしいことを示されると、1ミリも切りませんと言って教育実習をやめてしまった。

 

もうこの頃から、音楽で生きていくことを固く思っていたんでしょうね。でも確か、稲葉さんは教員免許をお持ちでしたよね、よく免許取れましたね笑。

 


■ということで、すっかり長くなっちゃいましたが、非常に自分も懐かしく思い出しながら書いていました。

 

やっぱりB'zはすごいアーティストですよ。もう一回ちゃんと聴いてみようかな…どのアルバムから聴いていないだろうか?随分、長い時間が開いているようだ。

 

つくづく、長くずっと同じものを好きで居続けることって、すごく根気の要ることだと思うし、もしも何年も何十年も、ずっと好きで居続けられているものがあったとしたら、それはその人にとっては、とても特別なものなのだと思います。一番、信用していいものなのだと思います。

ロストマン / BUMP OF CHICKEN

ロストマン/sailing day

ロストマン / BUMP OF CHICKEN

 

 

■リアルタイムで、現在は2020年の5月半ばです。

 

最近は、コロナ禍の影響により、大変な想いをされている方がたくさん居る中で、自粛や休校疲れに陥ってしまっている方もたくさん居ると思います。

 

そんな日々の中、長い時間"家に居ること"を、少しでもストレスに感じないように、逆に、楽な気持ちになってもらえるようにと、芸能人やミュージシャンの方々が、いつもとは違う特別なサービスを提供して、僕たちを楽しませてくれています。

 

過去に行ったライヴの動画(音楽やお笑い)を無料で配信してくださったり、あるいは、全く新しいライヴを生で配信したりと、家に居るファンたちを飽きさせない工夫をされています。

 

BUMP OF CHICKENも、そんなアーティストの一組です。何と、もうすでに映像作品としてリリースしている、2018年2月11日に、さいたまスーパーアリーナにて行われた「BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER」のライヴ映像を無料配信したのです。実に、1時間40分を超えるほんとに長いライヴ映像配信のサプライズは、多くのファンを楽しませたはずです。

 

僕自身は、この映像作品は持っていないので、初見で楽しんだのですが、実は個人的には、このライヴ映像配信よりも嬉しかったのが、これと同時に、過去のMVをたくさんアップロードしてくれたことでした。

 

そのMVの中には、僕がBUMP OF CHICKENを好きになったきっかけでもある、【ロストマン】という歌も含まれていました。

 

ということで、それがとても嬉しかったので、過去の記事の焼き増しになりますが、【ロストマン】という歌について、個人的な思い出や、歌の解釈を書いてみたいと思います。

 

 

 

 

ロストマン

ロストマン

  • provided courtesy of iTunes

■まず、BUMPと僕の最初の出会いは、高校生の時でした。

 

当時、【天体観測】が発表されて、すごい流行ったんですけど、一応は聴いたのですが、実はその時は、特にBUMPにはハマらなかったんです。変わったタイトルの歌だなと、珍しさは感じたのですが…藤原さんと増川さんの顔の区別もつかぬまま、その時は過ぎていきました。

 

そこから少し時間が経って、僕は大学生になりました。大学に通うため、一人暮らしを始めた頃のことです。

 

初めて暮らす街で見つけた、最寄りのレンタルショップに行った時に、有線か店員チョイスのプレイリストだったのか、今となっては分からないんですが、店内で流れていた"とある歌"が、何故か耳に残ったことがあったんです。

 

確か、「どっかで聴いたことあるような声だな」くらいは、思ったような気がします。とにかく、「いい歌だな」と記憶には強烈に残ったんですけど、それ以外は分かりませんでした。

 

それで家に帰って、夜中に「カウントダウンTV」を見ていた時でした。レンタルショップで流れていた歌が、ランキングを見ていたら流れてきたのです。そうそう、こんな歌だった!と、すぐに思い出せるほど記憶に残っていたんです。

 

そこでアーティスト名と曲名を確認して、初めてそれがBUMP OF CHICKENの【ロストマン】という歌だということを知りました。

 

その時に、そういえば高校の時に【天体観測】が流行ったバンドだったっけ、と思い出すことはできたんですけど、そこからどうなったかは知らなかったんです。だから、別に悪い意味じゃなくて、あの【天体観測】のバンドが、こんな渋い感じの歌を歌っているんだって思ったんです。

 

すぐに、件のレンタルショップで、シングル『ロストマン / sailing day』をレンタルして聴きました。これがまた、ドンぴしゃで僕の心を掴んだんです。【sailing day】の方も、もちろん素晴らしい歌だったんだけど、やっぱり【ロストマン】は特別でした。

 

静かで重厚な感じから始まって、徐々に盛り上がっていく感じの曲調からは、独りきりでも、少しずつ希望に向かっていくような勇気を感じさせ、新しい生活を始めたばかりの自分を励ましました。

 


そして、やっぱり【ロストマン】の真骨頂は歌詞だと思うんです。

 


状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も思い出せるかい

 

こういう、まるで友達に語りかけるように歌が始まるんですけど、自分に問いかけられたように思いながら…新しい生活の調子はどうだいと、僕は自問自答するように聴いていました。

 


■【ロストマン】の歌詞の個人的な解釈を書いてみます。

 

まず、【ロストマン】には、”僕”と”君”の2人の人物が出てくるんですけど、この歌では、”僕”が”君”に別れを告げてるような場面や、別れたあとの”僕”の気持ちの様子が描かれています。

 


状況はどうだい 居ない君に尋ねる
僕らの距離を 声は泳ぎ切れるかい

 


強く手を振って 君の背中に
サヨナラを 叫んだよ

 

関係性は色々考えられると思います。例えば、古くから一緒に居た友達だったり、この歌のことを知ったときの僕の状況であれば、親と親元を離れていく子どもなど…”僕”と”君”が居て、”僕”にとって、別れを惜しむ相手である”君”と、まさに別れなければならない場面に際して、あるいは、実際に別れた後の生活の中で、”僕”がその気持ちを吐露している、と考えることはできます。(あんまり、恋人同士という感じでは無いような気がするけど、どうだろうか)

 

…という具合に、素直に読んでいくと、”僕”と”君”とくれば、その両者は別人であると自然に考え、思い入れのある人物を”君”に当てはめて読んでも、おそらく成り立つとは思います。

 

ただ、何度か聴いていくうちに、全く違うことを思うようになってきました。

 


■個人的な解釈は、この歌詞に出てくる”僕”と”君”は同一人物を表している…つまり、”僕”も”君”も、どちらも”自分自身”を表わしている、というものです。

 

人は、大なり小なり、きっと色んな選択をしながら生きていますよね。小さいものを言えばキリがないですが、大きな選択と言えば、進学、就職、結婚などという、自分の人生の方向性を決める重要な選択を迫られる場面があるはずです。

 

そういう大きな選択を前にして、この【ロストマン】に出てくる”僕”と”君”は、それぞれ違う選択をした同一人物だという想像をしたんです。

 

具体的に言うと、”僕”の方は、言葉通り現在の自分であり、”君”の方は、"僕"とは違う選択をした自分を想像しています。さらに言うと、”僕”の方が、より険しい道を進む選択をした自分というイメージです。

 

例えば、何か自分が叶えたい夢があるとします。でも叶えるには努力が必要で、頑張ったとしても叶うとは限らない…という状況で、それでも、夢を追うという道を選んだのが”僕”、そして、その夢を諦めて、無難な道を選んだ自分が”君”というイメージを当てはめています。

 

この歌に出てくる”僕”は、自分の選んだ道が正しかったのか、常に自問自答し、”君”に語りかけながら歩き続けていきますが、歌が進んでいくにつれて、少しずつ希望を見出していく、その気持ちの変化を読むことができます。

 



状況はどうだい 僕は僕に尋ねる
旅の始まりを 今も思い出せるかい
選んできた道のりの 正しさを祈った

 

先程紹介した、出だしの1番Aメロの歌詞です。ここから、”僕”と”君”が同一人物であるという解釈に立つとすると、”僕”が”僕”に尋ねているので、現在の自分との自問自答であると読むことができます。

 



君を失った この世界で 僕は何を求め続ける
迷子って 気付いていたって 気付かないフリをした

 

1番のサビで、初めて”君”という言葉が出てきます。さらに、続く2番のAメロでは、”状況はどうだい 居ない君に尋ねる”という歌詞になります。1番との対比と考えるならば、”僕”の心情としてはまさに”迷子”=”ロストマン”であり、あの時のあの選択は、別の選択をした”君”と比べてどうだったんだろうかと、さらに苦悩を深めていることが分かります。

 


しかし、そういう迷いを振り切るように、"僕"は次第に力強く気持ちを新たにしていきます。

 


強く手を振って 君の背中に
サヨナラを叫んだよ

 


これが僕の望んだ世界だ そして今も歩き続ける
不器用な 旅路の果てに 正しさを祈りながら

 

2番のサビの歌詞ですが、ここはまさに、”君”との決別を表わしている部分だと思います。この時点で、”僕”はすでに、自分が”迷子”になっていることを自覚しているし、自分が”不器用”であることも認めているのですが、まだ自分の旅の”正しさ”を願うことを諦めてはいないんです。

 

それを物語る強い言葉が、”これが僕の望んだ世界だ”という部分。”君”というのは、あくまで自分の”亡霊”であり、ここにいる”僕”こそが本物の自分であり、それを肯定しようとしているのです。

 



ああ ロストマン 気付いたろう
僕らが丁寧に切り取った
その絵の 名前は思い出

 

この【ロストマン】という歌は、元々は”シザーズソング”というものだったらしく(シザーズ / Scissors = ハサミという意味)、その名残りか、ここの部分に"切り取った"という言葉が出てきています。

 



君を忘れたこの世界を 愛せた時は会いに行くよ
間違った旅路の果てに
正しさを祈りながら
再会を祈りながら

 

そして、こういう歌詞で歌は締めくくられます。”間違った旅路の果てに 正しさを祈りながら”という、こんな風に全く真逆の言葉をくっつけるという、藤原さんの書く詞の特徴が表れています。

 

そもそも、この歌の中に出てくる、”正しさ”ってどういう意味なんでしょうか?あるいは、”間違った”ってどういう意味なんでしょうか?

 

本当は、その道が正しいか間違いかなんて、選んだ時点では誰にも分からないんだろうし、そもそも、ある時点では”間違っていた”と思ったとしても、そこからもう少し歩いたら、光明が見えてくるかもしれません。

 

だから、やっぱり”自分が選んだ”ということを信じるしかないんです。それが、ただ一つ自分が決める"正解"なんですよね。仮に、どこかで諦めたとしてもそれも同じことで、”諦めた”という選択をした自分を信じるしかないんです。

 

自問自答の末に、ロストマンはそんな答えにたどり着いたのだと、想像しています。

 

 

■ちなみに、【ロストマン】には、制作にまつわる一つの逸話があるようです。

 

この歌の作詞作曲を行った藤原さんは、【ロストマン】の作詞に、実に9ヶ月もの時間を要したそうなのです。

 

9ヶ月間ずっと一つの曲の詞を考えているって、どういう心境になるのか、想像だにできません。作詞に真摯に向き合って、考えに考え抜いて書いたんだということは、この9ヶ月という長い時間が物語っているように思います。

 

本当に【ロストマン】の歌詞は、完璧というか、緻密というか、どこにも無駄なフレーズがない気がします。僕の想像を大いに含んでいますが、”僕”と”君”の対比のからくりとか、本当に秀逸だと思います。

 

長い時間かけても、良いものが出来るとは、決して限らないとは思うんですが、この【ロストマン】の歌詞を読むと、かけた時間の分だけ、言葉の重みが伝わってくるので、9ヶ月は必要な時間だったんだと納得します。

 


■だから、ここまで読んできて、はたと思うんです…ここでいう”ロストマン”とは、藤原さん自身でもあったのかな、と。

 

音楽の道を選んだ自分を”僕”、選ばなかった自分を”君”として、しかも9ヶ月もかけて、一番自問自答を繰り返したのは、藤原さん自身に他ならないからです。

 

そう考えると、この【ロストマン】という曲は、実に人間くさくて、本物の血が通う、本当の意味での歌であると思うのです。

 

youtu.be

 

 

ボイコット / amazarashi

【Amazon.co.jp限定】ボイコット (初回生産限定盤B) (DVD付) (デカジャケット付)

ボイコット / amazarashi
2020年3月11日発売

 

<収録曲>
1.拒否オロジー
2.とどめを刺して
3.夕立旅立ち
4.帰ってこいよ
5.さよならごっこ
6.月曜日
7.アルカホール
8.マスクチルドレン
9.抒情死
10.死んでるみたいに眠ってる
11.リビングデッド
12.独白
13.未来になれなかったあの夜に(long edit)
14.そういう人になりたいぜ

 


■アルバム『ボイコット』は、2020年3月11日に発売になった作品です。前作の4th album『地方都市のメメント・モリ』から、2年3ヶ月ぶりに発売されました。

 

いつも言っていることなんですけど、amazarashiのアルバムを特に初めて聴く時なんかは、何か生半可な気持ちで聴いてはいけないな、と覚悟を決めて聴くんです。一旦背筋をしゃんと伸ばして、よし聴くか…と。

 

「歌詞を見ながら聴きたい曲が、いまいくつあるだろう。」と、amazarashiはずっと投げかけ続けてきました。今作は、特にその言葉に相応しい、本当に重厚で濃密な言葉を、時に耳を塞いでしまいたくなるような真実を、これでもかというほどに突き付けている作品になっています。

 


ということで、本記事で、その一端でも紹介できれば幸いです。全曲の解説・感想書くのは大変なため、特に印象に残った曲や気に入った曲を中心に書かせていただきました。

 

また、この辺のインタビューを参考にしつつ、本記事を書かせていただいたので、予めリンクを貼っておきます↓

 

natalie.mu

 

okmusic.jp

 

 

■まず、インタビューを読んでいくと、このアルバムに秋田さんが込めたテーマが、”拒絶”であると語っています。

 


今回のテーマは自分を苦しめるものに対する”拒絶”です。タイトルを”ボイコット”としたのは”僕は拒絶する”という意志の表明と、それを多くの人に呼び掛けたいからです。”あなたを苦しめるものを拒絶しませんか”っていう。

 

とこんな風に語っています。アルバムの収録曲の歌詞の中にも、”拒絶”という言葉が随所に現れており、一つのテーマとして筋を通しているのが分かります。収録曲として、特に具体的に”拒絶”をテーマに歌っている曲をいくつか挙げてみます。

 


1.拒否オロジー

拒否オロジー

拒否オロジー

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アルバムの1曲目が【拒否オロジー】という曲です。タイトルは造語だと思うのですが、”-オロジー / -ology”という言葉は、例えば、”バイオロジー / biology”で「生物学」、”ソシオロジー / sociology”で「社会学」などという言葉にあるように(探せば、もっとたくさんありますが)、学問を表す英語につく言葉のようです。

 

ともすると、”拒否オロジー”で”拒否学”と…訳すこと自体が野暮ですかね。歌詞で韻を踏んでいる部分もあるので、言葉の響きでつけたってのが大きいと思います。

 

秋田さんの咳払いのあと、”応答せよ、応答せよ”から始まるポエトリーリーディングは、インタビューでは”意志の表明”と語っていますが、大衆を煽る演説のように、あるいは、革命軍を率いてその士気を高めるような演説のように聴こえます。

 


私の叙情も感傷も、果たせなかった拒絶である
電波塔が貫く空も、下校する子供らの足取りも、
果たせなかった拒絶である
カナリアが鳴いている
それと同じように、私の拒絶は震えている

 

応答せよ、応答せよ
檻を蹴破れ 服役囚よ

 

成すがままに事が進んでいって、誰もが拒絶する暇もないまま、やりたくなかったこと、行きたくなかったところ、そういうものに日々苦しめられて、それでも、仕方なく諦めたように生きる毎日。

 

そういうものに囚われた日々から抜け出そう、ということを煽っているように聴こえます。

 


2.とどめを刺して

とどめを刺して

とどめを刺して

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1曲目に引き続き、アルバムのテーマである”拒絶”を強く歌っている歌です。

 


ねぇ二度と泣かないように 君を脅す君にとどめを刺して
僕と逃げよう 地の果てまで 追っ手は暗闇 明日無き逃亡

 

【拒否オロジー】では、大衆を扇動するみたいな演説に聴こえていたところから、【とどめを刺して】では、しっかりと”君”という人物に焦点を絞って歌われていて、少し物語仕立てにも聴こえてきます。

 

なので、”とどめを刺して”は、他でもない自分に向けられた言葉であり、今まで何の抵抗もなく、成すがままに生きてきた自分に終止符を打つ、という意味で”とどめを刺す”と表現されています。

 


ただし、この歌の結末としては、

 


急カーブ、猛スピード そりゃそうだ
この結末は もちろん想像した
曲がりきれぬ道を曲がろうとしたんだ
せめて最期は 笑っているため

 

という風に終わっています。この歌は、アルバム発売に先立って、MVが発表されたのですが、そのMVにおいて、全てを捨てた男女が車に乗って逃避行を図る様子が描かれているのですが、その結末でも、車が事故にあって炎上している様子で終わっています。

 

よって、”拒絶”というものを扇動する内容と同時に、結局はその”拒絶”が失敗に終わったというような、自虐的な内容も含まれているようにも読み取れます。結局は、成すがままに生きていくことから逃れようとしたことに対する断罪を表しているのでしょうか。

 

あと印象に残っているのは、再びMVの話なんですけど、このMVの主人公が、自分を縛っているものを、「私は私の○○ではない」と、ノートに書き込んで色々と捨てていくんです。SNSのアカウントやスマートフォン、食べ物や飲み物から、免許やパスポート、クレジットカードやお金まで全てを捨てていくんです。

 

それでも、最後の最後まで、ずっとそばで秋田さんがギターを弾きながら歌っていて、個人的な考え方ですけど、色々捨てていっても、”歌”や”ギター”は捨てないんだなって、何かジーンとしました。

 

youtu.be

 


8.マスクチルドレン

マスクチルドレン

マスクチルドレン

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最近、”伊達マスク”という言葉をよく耳にします。マスクは本来、風邪やインフルエンザ予防のために装着したり、衛生上気を付けないといけない仕事で、つばなどが飛ばないように装着するものなのですが、”伊達マスク”はそういう用途ではなくて、主に”顔を隠す”ためにつけるマスクのことです。

 

さながら、芸能人が変装などのためにマスクをつけるように、特に若い子なんかは、顔を隠すためにマスクをつけたりしているのを見かけます。

 

曲のタイトルにもなっている”マスクチルドレン”という言葉からは、”伊達マスクをつけて顔を隠している子どもたち”というものがイメージされます。そうやって”伊達マスク”をつけている子どもたちも、大人だったり、コミュニケーションをとることなどを”拒絶”しているようにも見えます。

 

(まぁ、リアルタイムでコロナ禍にある今は、そのままの意味でマスクをつけている人たちの方が浮かんできますが…)


個人的にも、アルバムの中では、この曲は特にお気に入りです。決して明るいわけではなんですけど、前向きになる曲です。

 


表情すら隠す癖に 分かってほしいだなんて
後ろめたくて当たり前 夜勤明け光る朝焼け
こんな一日の終わりに不釣り合い
まだ何も成してない 僕の今日を照らさないで

 


本当は飛び出したい癖に 僕なんかじゃ無理だなんて
「そんなことはないよ」だって 誰も言ってくれるわけねぇ

 

という風に、”拒絶”と”本当は自分を分かって欲しい”という2つの気持ちの板挟みを歌いつつも、最後には、

 


居ても立っても居られずに 家とは逆の方向へ
後ろめたささえ晴々 同じようで違う朝焼け
理想叶える為犠牲になってくれ 最低な幕開け
この始まりを照らしてくれ

 

という風に、今の自分や生活からの”逃避行”を図った描写で終わっています。

 

ちなみに、僕自身にも具体的な経験があって…以前やってた仕事がすごいきつくて、年末年始にろくに休みをもらうことができずに何連勤もした結果、何もかも嫌になって、仕事場に向かう電車とは逆の方向へ向かう電車に乗って、知らない街に行って、仕事を1日サボったことがあります。

 

その日は、独りで映画を観たり、カラオケに行ったり、でも結局は仕事場の仲間と飯を食いに行ったりして、つかの間の”逃避行”を楽しみました笑 

 

 

■あと、テーマという程ではないかもしれませんが、前アルバムの『地方都市のメメント・モリ』でも歌われていたような、故郷を想う気持ちだったり、そこから旅立っていく若者を応援しているような内容の歌も収録されています。例えば、【夕立旅立ち】【帰ってこいよ】【さよならごっこ】の3曲が挙げられます。

 


3.夕立旅立ち

夕立旅立ち

夕立旅立ち

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重苦しかった1、2曲目から雰囲気は一変して、明るい曲調の歌です。跳ねるようなアコギのストロークが印象に残ります。

 


いい事なんかなかった街でも
別れる時には寂しくなるんだな
出掛けに見送り沈丁花
友達よまたな 恋人よさらば

 


夕立旅立ち 行く先に光
懐かしい夢達 未だに覚めないし
儚い見間違い 都会に影法師
遠々しいあの街 仰ぎ見 幾年

 

出だしのAメロと、最後のサビの歌詞を載せました。自分の夢を追いかけるために、友達や恋人に別れを告げて都会に出て、未だにその夢を追いかけている真っただ中にいる姿には、他でもない秋田さんの姿が思い浮かびます。

 


4.帰ってこいよ

帰ってこいよ

帰ってこいよ

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この歌も確か、アルバムが発売になる前に、MVが発表された曲でしたかね。”故郷”を表したような少し寂れた街の風景に、歌詞が淡々と照射されていく、シンプルなMVになっています。(こういうのを、Lyric Videoっていうんですね。)

 

【夕立旅立ち】は、故郷から都会に出てきて、夢を追う者の姿を描いているように読めますが、その一方で、この【帰ってこいよ】は、その故郷の側に立って、心象や風景を描いているように読めます。

 

【夕立旅立ち】と【帰ってこいよ】が、続けて入っているので、余計にこの2曲を関連付けて聴いています。具体的には、【夕立旅立ち】で旅立った者にむけて、【帰ってこいよ】で声をかけているというような感じです。

 

なんていうか、”残った”というより、”残された”と言う方が合っているような気がします。”残された”と感じるような、どこか寂しさのような感情が伝わってきます。

 


美しい思い出なんてあるものか
記憶の中じゃ泣いて挫けてばかり
この町が嫌いだとみんな言うが
早く出ていくんだと決まって言うが

 


遠くでなる境内の祭り囃子
君が居なくたって夏は過ぎるけど
知らせ無くとも 今か今かと
待ち人の面影に振り返り

 

そして、サビで印象的に繰り返されるフレーズ、

 


帰ってこいよ
何か成し遂げるとも、成し遂げずとも

 

何か…ツンデレなんでしょうか笑 結局、帰ってきてほしいって思っている部分もあるのかもしれません。

 

youtu.be

 


5.さよならごっこ

さよならごっこ

さよならごっこ

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手塚治虫原作の漫画「どろろ」のテレビアニメ主題歌になった歌で、シングル曲として発表されました。

 

どろろ」という漫画の物語は、体の48箇所が欠損してしまっている百鬼丸という人間が、妖怪退治をしながら、その欠損した体の部分を取り戻していくという、いわゆるダークファンタジーです。そして、その百鬼丸に救われて、旅を共にすることになった幼子の泥棒の名前が”どろろ”で、それがそのままタイトルになっています。

 

そして、インタビューを読むと、この歌は百鬼丸目線ではなく、どろろの目線で作られた歌であるようです。

 

曲のタイトルは”さよなら”ではなくて、”さよならごっこ”になっていますが、どういう意図があるのか…「どろろ」を全く読んだことがないので、ストーリーに絡む部分がもしあるのならば、そこは分かりかねますが、想像していることは、つかず離れずの関係とても言いましょうか。

 


さよならごっこは慣れたもんさ でも手を振ったら泣いちゃった
僕らの真っ赤な悲しみが 暮れる 暮れる そして夜が来る
当たり前にやってくる明日なら 「生きたい」なんて言わなかった
よせばいいのに夢見てしまう 未来 未来 君のせいなんだ

 

別に、ずっと一緒に居なきゃいけない関係柄でもないので、離れようと思えばいつでも離れることができる…と言いながらも、どこか離れがたく、結局ずるずるとずっと一緒にいるような関係を想像しています。だから”さよならごっこ”なんですかね。

 

youtu.be

 

 

 

■あとは、アルバムの中で一番印象に残った2曲として、【独白】と【未来になれなかったあの夜に(long edit)】を紹介しておきます。

 


12.独白

独白(検閲済み)

独白(検閲済み)

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独白

独白

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まず一言…すごい曲です。

 

このアルバムの収録曲の1曲に収まるべきではなく、amazarashiが歌ってきたこと、やってきたことの全てが詰まっているような歌だという印象です。amazarashiの楽曲の中でも、最重要の曲と言っても過言ではないと思います。

 

元々は、シングル『リビングデッド』のカップリング曲として、【独白(検閲済み)】という形で収録されていたのですが、まずここからやばかったんです。ノイズで歌全体がめいっぱい歪められていて、もう歌とは呼べないほど、全然歌詞が聴き取れません。だいぶ怖いです、一種のホラーです。おそらくこれは、曲名にもある通り、”検閲”と称して、”言葉が奪われた”という状況を表しているのでしょう。

 

その後、武道館公演で”検閲解除”され、【独白】が初披露されたそうです。今回のアルバムには、その”検閲解除”された【独白】が収録されており、歌詞が普通に聴き取れるようになっています。

 

この演出自体が、【独白】という曲を真に表現しているものだと思うんですけど、さらに歌詞を読んでいくと、秋田さんの言葉に対する想いが深く伝わっていて、胸をぐっと掴まれます。ものすごい量の言葉を、まくしたてるようにポエトリーリーディングで歌っています。

 


「言葉にならない」気持ちは言葉にするべきだ
「例えようもない」その状況こそ例えるべきだ
「言葉もない」という言葉が何を伝えてんのか
君自身の言葉で自身を定義するんだ

 


音楽や小説 映画とか漫画 テレビ ラジオ
インターネット 母が赤ん坊に語る言葉
友人との会話 傷つけられた言葉
嬉しくて嬉しくてたまらなかった言葉

 


言葉は積み重なる 人間を形作る
私が私自身を説き伏せてきたように
一行では無理でも十万行ならどうか
一日では無理でも十年を経たならどうか

 

個人的には仕事柄そうだし、あるいは、趣味でこんなブログなどを書いていると余計に、”言葉”というものに秘められた力にふと出くわすことがあって、大切にしないといけないなと思って、僕も生きています。

 

僕自身、自分が書いた文章を人に読んでもらう機会があった時に、これまで褒められることが多くあって(”褒められた”ということも、そういう”言葉”をもらったからに他ならないわけで)、自分の書く文章に少しずつ自信が持てるようになって、そしてそれこそが、こういうブログを書いたりすることに興味を持って続けている理由になっているんです。

 

それと同時に、仕事で書く形式的な文章だったり、実際にアドリブでしゃべったりすることについては、そこまで褒められるような資質は持ち合わせていないんだな、と思い知らされ、修業中の日々なのですが…苦笑

 

”言葉”っていうのは、人を救うことができれば、人を殺すこともできる、とても強い二面性を持っているものなのだと思います。些細な言葉から言い争いが始まったり、ほんの短い言葉でもその人にとっては、自分の人生を大きく変えてくれるような、大きな意味を持つ言葉になったりしますよね。

 

他でもない、amazarashiの秋田さんの言葉には、とても強い力があって、救われたり、時には、胸を引き裂かれそうになるほどの気持ちになることがあります。それは、秋田さんが本気で人間に向き合い、言葉に向き合い、紡いでいるからであり、だからこそ、一言一言ちゃんと意味を考えながら聴きたくなるんです。まさに、「歌詞を見ながら聴きたい曲」ですよね。

 


13.未来になれなかったあの夜に(long edit)

未来になれなかったあの夜に (Long Edit.)

未来になれなかったあの夜に (Long Edit.)

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もともと、ライブツアー『amazarashi Live Tour 2019「未来になれなかった全ての夜に」』で披露された…というより、ライブツアーのために作られた歌ですね。アルバム発売前にMVが発表になり、配信シングルとしてもリリースされました。

 

この曲もまた、自分にとって、とても響くものがありました。

 


まさかお前、生き別れたはずの 青臭い夢か?恐れ知らずの
酒のつまみの思い出話と 成り下がるには眩しすぎたよ
なじられたなら怒ってもいいよ 一人で泣けば誰にもバレないよ
そんな夜達に「ほら見たろ?って 無駄じゃなかったと抱きしめたいよ

 

未来になれなかった あの夜に

 

僕は、子どもの頃…と言っても、高校生とか大学生とかですけど、その時になりたいと思った職業があって、それに向かって勉強をしてきたんですけど、大学を卒業して、就いた仕事は全く別の仕事でした。そのことについて、ずっとモヤモヤして生きていたんです。

 

そして、27歳くらいの時に仕事を辞めて、再び自分の夢を追いはじめたんですけど、まぁ長いこと遠回りしてきましたよ。で、実は去年くらいから、割とやりたいと思ってたことができるようになってきて、頑張っているところなんです。

 

それでも、まぁ今もまだ夢の途中ですね…というより、終わりなんてないですけどね、自分の不甲斐なさや力不足を感じる毎日です。

 

…とまぁ、こういう過去が、僕にもありまして。だから、この歌で歌われていることが、本当に胸に刺さってくるんです。遠回りしたこと、あの厳しく理不尽だった仕事をやっていたこと、そういうものも”無駄じゃなかった”と、証明するために生きているようなもんです。

 


前向きに生きることほど素晴らしいことはない
でも「前向きに生きて」じゃ 頷けない誰かさんの為

 


今更弱さ武器にはしないよ それが僕らがやってきたことの
正しさの証明と知っている 今この僕があの日の答えだ

 


見える人にだけ見える光だ 陰こそ唯一光の理解者

 

こういう言葉には、本当にパワーをもらいます。特に、真ん中の2行の最後の言葉…”今この僕があの日の答え”って。やっぱり、出来るだけ肯定的に生きていたいと思いますよね。自分がやってきたことも、逆にできなかったことも、遠回りしたことも、全てに意味があって、今自分がこの場所に居るんだってことですね。

 

youtu.be

夜明けのスケルトン / カミナリグモ

【メーカー特典あり】SCRAPPY JEWELRY(DVD付)

夜明けのスケルトン / カミナリグモ

(2020年6月17日発売 5th Album『SCRAPPY JEWELRY』に収録)

 

カミナリグモが活動を休止したのは、2016年のこと…2015年3月11日に、3rd EP『続きのブランクペーパー』を発表して、程なくしてのことでした。

 

個人的に、カミナリグモっていうバンドの存在を知って、アルバムもほとんど買い揃えて、好きなバンドがまた一つ増えたなって、喜んでいた矢先に活動が休止になったので、何だか拍子抜けしてしまったことを覚えています。

 


活動休止中に、ボーカルの上野啓示さんは”かけらフィルム”として活動を始めました。

 

その時に、僕は珍しく、広島はヲルガン座という場所で行われた、かけらフィルムのライヴを見に行ったのです。同じく、sleepy.abとしての活動を止めてしまっていた(活動休止ではないようですが…)、そのボーカルの成山剛さんと2人で回っているライヴでした。勝手に、”活動休止コンビ”のライヴだな、とか考えていました笑。

 

もちろん、2人の演奏が素晴らしかったことは言うまでも無く、すごい距離の近いライヴだったので、身内ライヴみたいな感じが、とても心地よかったんです。

 

最後の曲で、僕の大好きなスピッツの【魔法のコトバ】をお二人でカバーしてくださったり、合間の休憩時間で普通にお二人とトイレでばったり会って、啓示さんにトイレの列を譲ったりと、個人的にとても思い出に残っているライヴとなりました。

 


かけらフィルムの歌も大好きだし、先述のライヴでも、かけらフィルムとしてカミナリグモの歌を歌っていたので、そこまで”カミナリグモ”と”かけらフィルム”を分けて聴いていた覚えもないんです。

 

それでも、やっぱり自分が好きになったカミナリグモの歌を、啓示さんとghomaさん(カミナリグモのキーボード)で聴きたかったし、もちろん新曲も聴きたくなっていました。

 


■そこへ来て、2018年の終わり頃から、カミナリグモの活動が少しずつ、また再び動き出したのです。そして、ついに2020年6月17日に、本当に待望の5th Album『SCRAPPY JEWELRY』が発売になることが発表されたのです!

 

いやぁ、僕は本当に嬉しいんですよ、それだけで最近はハッピーな気持ちでいっぱいなんです。長く活動をしていたと思っていたんですけど、案外まだ5枚目のフルアルバムなんですね。

 

で、そのアルバムの情報が、今少しずつ解禁され始めているところなんですけど、早いうちからMVが解禁になった【夜明けのスケルトン】という曲…これがまたすごい曲で、暇さえあればずっと聴いています。

 

…ということで、前置きが長くなりましたが、この【夜明けのスケルトン】という曲を紹介しようと思います。

 

 

youtu.be


■かわいらしいアニメーションをバックに、ghomaさんの鍵盤の音が鳴っていて、そこに啓示さんのボーカルが乗っかって、映画でも見ているみたいに、ゆったりと曲が始まります。実際にアニメーションには、スケルトンとロボットが映画館のような場所で映画を見ている場面があります。

 

ちなみにこの曲には、ゲストミュージシャンとして、ベースにはメレンゲのタケシタツヨシさんが、ドラムにはLOST IN TIMEの大岡源一郎さんが、それぞれ参加しています。アルバムにも、FoZZtoneや鶴のメンバーなども参加しているようで、あまり詳しくない僕でも、知っているバンドの名前が並んでいて、豪華だなと思ったほどです。

 

カミナリグモの楽曲には、色んな雰囲気の曲があるんですけど、この【夜明けのスケルトン】をAメロから聴きはじめると、割とゆったりした曲っぽく進んでいきます。

 

しかし、サビにさしかかるとその雰囲気は一転、ドラムや鍵盤の音が激しさを増して轟音のように迫ってきます。何となく、the pillowsの【さよならユニバース】に似ているような曲の展開ですね。あんまり別バンドの話を出すのは良くないかもしれないですけど、特にカミナリグモの啓示さんは、the pillowsを超リスペクトしているので、そういう要素が含まれていても、何ら不思議ではないと思います。

 

それでも、やっぱりカミナリグモの曲として唯一無二のものになっている理由の一つとして、やっぱり鍵盤(キーボード)の音が重要だと感じます。この曲でも、激しいバンドの音を引き立てるように、時に、引っ張っていくように鳴っていて耳に残ります。

 


■歌詞については、これも変わらず、まるで絵本でもファンタジーでも読んでいるみたいに、不思議な世界観なのですが、MVともリンクして色んなことを感じ取れました。

 

MVは、全編アニメーションになっており、スケルトンとロボットが主人公として進んでいきます。物語としては断片的で、色々と想像できそうなのですが、どこか退廃的な雰囲気を感じます。

 

(おそらく)地球が滅んでいるような描写があったり、スケルトンが壊れたロボットを直している描写だったり、そこからロケットに乗って脱出しているような描写などが差し込まれて、単純なようで、ひとつながりには想像しにくい物語になっています。

 

ケルトンの顔が、正常な地球やほろんだ地球にすり替わったりする描写もあったりして、ひょっとしたらスケルトン自身が、地球が負ってしまった苦しみや悲しみその物を具現化した存在なのかな、とも考えたりしました。

 


■それから、この歌に出てくる”僕ら”というのが、どういう関係を表すのかというところも、色々想像できる部分ではあると思います。

 


僕らは選ばれなくても 答えはもう抜け殻でも
神様は偽物でも 傷は深く消せなくても
最後に何もなくても 奇跡は起こらなくても
永遠は嘘つきでも 明日はすぐそこにある
それは確かさ

 

今ここにキミといる それ以外は
全部 嘘でもよかったんだ

 

2人は、もうこれでもかってくらいネガティブな状況にあることが分かりますが、それでも2人でいられることこそが、最後の希望なんだということも同時に歌われていることが読み取れます。

 

例えば、これに恋人同士を当てはめると…MVの内容ともリンクして、極限状態でも愛し合う者同士という関係が思い浮かびました。どんなに極限状態にあっても、2人でいることこそが希望なんだと、そういう風に歌われていることについては、ここに恋愛を重ねあわせても、不自然ではないような気がします。こうなると、スピッツの【愛のことば】みたいな感じですかね。

 

あとは、やっぱりこの歌と結び付けたくなるのは、そもそもカミナリグモの活動を再開したということそのものでした。となると、この歌の2人に当てはまるのは、他でもない、ボーカルの上野啓示さんとキーボードのghomaさんになります。

 

そうなると、この歌で歌われていることは、再び盟友同士で活動を共にしていく…つまり、カミナリグモとして活動を再開させる、その決意に他なりません。the pillowsの【ハイブリッドレインボウ】みたいな感じですかね。

Twilight / Subway Daydream

Twilight

Twilight

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Twilight / Subway Daydream

 

■最近ハマってしまって、頭から離れなくなってしまい、長いことずっと繰り返し聴いている曲です。大げさでも何でもなく、何時間もずっとエンドレスでリピートしています。何でも、このバンドで初めて音源化した曲であるらしいので、今のところダウンロードして聴ける曲が、この1曲しかないようです。

 

バンド名はSubway Daydream…”地下鉄の白昼夢”と直訳することは安易なのかもしれないけれど、何ていうか…何処へも行けない鬱屈した気持ちを「地下鉄」という言葉に託して、それでもそこで心を保つように、日がな白昼夢を空想してごまかしている、と勝手に想像を膨らまして、奇しくも今の時代に合っているようなバンド名だな、とか思っています。

 

 

■何より、【Twilight】という曲は、そういう自分たちがこの不思議なバンド名に込めた想いを説明しているような、そんな自己紹介的な曲なのかなと思いながら聴いています。

 


地下鉄でひとりきり
ぼんやりベンチにもたれて
最後のベルが聴こえたら

 

街に出よう まぶしい心で
暗がりも照らすほどに

 

遠距離恋愛なのかなとか、片思いした人のことを思っているのかなとか、別れてしまっているのかなとか、色々と物語を想像してみるんですけど、何より歌詞がすーっと入ってくる感じが気持ちが良いなって思うんです。

 

演奏とボーカルも素敵なんです。実は元々、シューゲイザーについて色々と調べていたんですけど、そこからちょっとかけ離れたところで、この曲に出会いました。この曲のイントロが流れてきたところで、手が止まってしまい、さらにボーカルの声が流れてきてから、さらにのめり込んで聴きました。

 

バンド名の通り、白昼夢でも見ているような、そんな不思議な雰囲気に浸れる曲です。

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