夜明けのスケルトン / カミナリグモ

【メーカー特典あり】SCRAPPY JEWELRY(DVD付)

夜明けのスケルトン / カミナリグモ

(2020年6月17日発売 5th Album『SCRAPPY JEWELRY』に収録)

 

カミナリグモが活動を休止したのは、2016年のこと…2015年3月11日に、3rd EP『続きのブランクペーパー』を発表して、程なくしてのことでした。

 

個人的に、カミナリグモっていうバンドの存在を知って、アルバムもほとんど買い揃えて、好きなバンドがまた一つ増えたなって、喜んでいた矢先に活動が休止になったので、何だか拍子抜けしてしまったことを覚えています。

 


活動休止中に、ボーカルの上野啓示さんは”かけらフィルム”として活動を始めました。

 

その時に、僕は珍しく、広島はヲルガン座という場所で行われた、かけらフィルムのライヴを見に行ったのです。同じく、sleepy.abとしての活動を止めてしまっていた(活動休止ではないようですが…)、そのボーカルの成山剛さんと2人で回っているライヴでした。勝手に、”活動休止コンビ”のライヴだな、とか考えていました笑。

 

もちろん、2人の演奏が素晴らしかったことは言うまでも無く、すごい距離の近いライヴだったので、身内ライヴみたいな感じが、とても心地よかったんです。

 

最後の曲で、僕の大好きなスピッツの【魔法のコトバ】をお二人でカバーしてくださったり、合間の休憩時間で普通にお二人とトイレでばったり会って、啓示さんにトイレの列を譲ったりと、個人的にとても思い出に残っているライヴとなりました。

 


かけらフィルムの歌も大好きだし、先述のライヴでも、かけらフィルムとしてカミナリグモの歌を歌っていたので、そこまで”カミナリグモ”と”かけらフィルム”を分けて聴いていた覚えもないんです。

 

それでも、やっぱり自分が好きになったカミナリグモの歌を、啓示さんとghomaさん(カミナリグモのキーボード)で聴きたかったし、もちろん新曲も聴きたくなっていました。

 


■そこへ来て、2018年の終わり頃から、カミナリグモの活動が少しずつ、また再び動き出したのです。そして、ついに2020年6月17日に、本当に待望の5th Album『SCRAPPY JEWELRY』が発売になることが発表されたのです!

 

いやぁ、僕は本当に嬉しいんですよ、それだけで最近はハッピーな気持ちでいっぱいなんです。長く活動をしていたと思っていたんですけど、案外まだ5枚目のフルアルバムなんですね。

 

で、そのアルバムの情報が、今少しずつ解禁され始めているところなんですけど、早いうちからMVが解禁になった【夜明けのスケルトン】という曲…これがまたすごい曲で、暇さえあればずっと聴いています。

 

…ということで、前置きが長くなりましたが、この【夜明けのスケルトン】という曲を紹介しようと思います。

 

 

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■かわいらしいアニメーションをバックに、ghomaさんの鍵盤の音が鳴っていて、そこに啓示さんのボーカルが乗っかって、映画でも見ているみたいに、ゆったりと曲が始まります。実際にアニメーションには、スケルトンとロボットが映画館のような場所で映画を見ている場面があります。

 

ちなみにこの曲には、ゲストミュージシャンとして、ベースにはメレンゲのタケシタツヨシさんが、ドラムにはLOST IN TIMEの大岡源一郎さんが、それぞれ参加しています。アルバムにも、FoZZtoneや鶴のメンバーなども参加しているようで、あまり詳しくない僕でも、知っているバンドの名前が並んでいて、豪華だなと思ったほどです。

 

カミナリグモの楽曲には、色んな雰囲気の曲があるんですけど、この【夜明けのスケルトン】をAメロから聴きはじめると、割とゆったりした曲っぽく進んでいきます。

 

しかし、サビにさしかかるとその雰囲気は一転、ドラムや鍵盤の音が激しさを増して轟音のように迫ってきます。何となく、the pillowsの【さよならユニバース】に似ているような曲の展開ですね。あんまり別バンドの話を出すのは良くないかもしれないですけど、特にカミナリグモの啓示さんは、the pillowsを超リスペクトしているので、そういう要素が含まれていても、何ら不思議ではないと思います。

 

それでも、やっぱりカミナリグモの曲として唯一無二のものになっている理由の一つとして、やっぱり鍵盤(キーボード)の音が重要だと感じます。この曲でも、激しいバンドの音を引き立てるように、時に、引っ張っていくように鳴っていて耳に残ります。

 


■歌詞については、これも変わらず、まるで絵本でもファンタジーでも読んでいるみたいに、不思議な世界観なのですが、MVともリンクして色んなことを感じ取れました。

 

MVは、全編アニメーションになっており、スケルトンとロボットが主人公として進んでいきます。物語としては断片的で、色々と想像できそうなのですが、どこか退廃的な雰囲気を感じます。

 

(おそらく)地球が滅んでいるような描写があったり、スケルトンが壊れたロボットを直している描写だったり、そこからロケットに乗って脱出しているような描写などが差し込まれて、単純なようで、ひとつながりには想像しにくい物語になっています。

 

ケルトンの顔が、正常な地球やほろんだ地球にすり替わったりする描写もあったりして、ひょっとしたらスケルトン自身が、地球が負ってしまった苦しみや悲しみその物を具現化した存在なのかな、とも考えたりしました。

 


■それから、この歌に出てくる”僕ら”というのが、どういう関係を表すのかというところも、色々想像できる部分ではあると思います。

 


僕らは選ばれなくても 答えはもう抜け殻でも
神様は偽物でも 傷は深く消せなくても
最後に何もなくても 奇跡は起こらなくても
永遠は嘘つきでも 明日はすぐそこにある
それは確かさ

 

今ここにキミといる それ以外は
全部 嘘でもよかったんだ

 

2人は、もうこれでもかってくらいネガティブな状況にあることが分かりますが、それでも2人でいられることこそが、最後の希望なんだということも同時に歌われていることが読み取れます。

 

例えば、これに恋人同士を当てはめると…MVの内容ともリンクして、極限状態でも愛し合う者同士という関係が思い浮かびました。どんなに極限状態にあっても、2人でいることこそが希望なんだと、そういう風に歌われていることについては、ここに恋愛を重ねあわせても、不自然ではないような気がします。こうなると、スピッツの【愛のことば】みたいな感じですかね。

 

あとは、やっぱりこの歌と結び付けたくなるのは、そもそもカミナリグモの活動を再開したということそのものでした。となると、この歌の2人に当てはまるのは、他でもない、ボーカルの上野啓示さんとキーボードのghomaさんになります。

 

そうなると、この歌で歌われていることは、再び盟友同士で活動を共にしていく…つまり、カミナリグモとして活動を再開させる、その決意に他なりません。the pillowsの【ハイブリッドレインボウ】みたいな感じですかね。